fugacity『手の中』 Next Plus SongThe東京シュガーキャッツ『わがままな朝食』

mimiclick
『ない』
　パチパチと左右で繰り返されるノイズ。ガスレンジがなかなか点火しないのかって思ったりもしますが、それもひとつの表現。これを受入れられる人と我慢ならないという人が同時に存在するでしょう。僕も最初はちょっと耳が痛いかなという気がしたのですが、途中からこのノイズが消える部分があって、なんか物足りないというか、寂しい気分に襲われました。その後またノイズが復活してきて、不思議と落ち着くというかあるべきものがあるという安心感が広がってきます。歌詞の方は「〜ない」というフレーズの繰り返しで、ラップ的韻踏みのような感じもしますが、個人的にはそういう言葉にはあまり意味も無く、むしろそれさえも楽器の一部、音の一部として存在しているだけのような印象を持ちます。歌を歌として考えたり、ノイズをノイズとして考えたりすること自体に意味が無く、トータルの音として感じてみるという、そんな音楽との接し方を教えてくれているような気がしたのです。
(2014.5.24) (レビュアー：大島栄二)
 

   
         
 


 
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