Torry Konny DOG『五月雨ノクターン』
POOL-0『還り道』
周杰倫
『七里香』
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このmusiplで取り上げるアーティストとして、おそらく桁違いのセールス規模を誇るひとりだと思うが、再定義の説明文脈は無論、いる。まず、この「七里香」は中華ポップスとして近年では桁違いのレベルのポピュラーな曲の一つである訴求性の意味。08年の来日公演でもシンガロングが生まれていたが、北京や上海など色んな人たちが行き交う懇親の場でこの曲を歌うと、数多くの人たちが良きにしろ、悪しきにしろ反応した。周杰倫ことJAY CHOUは、台湾出身のポップ・スターで、歌手としての活躍だけではなく、俳優から大学での芸術指導員など多彩な顔を持ち、親日的な側面も知られ、東日本大震災に際しても真っ先にアクションを起こしていた。ウェルメイドなポップ・ソングを得意とするものの、さて、そんな、冠詞の下、このMVを観て、どう思っただろうか。たおやかで雄大なメロディーに、“七里香(ジャスミン)”を介し、田園、ブランコ、やや野暮ったいとも言えなくもない風情をなぞる、そんな景色に重なる、シンプルなラブ・ソングの途程において、じんわりと心の奥底を和ませる空気感と既視感以外の何かを感じた人もいるのでは、とも思う。彼の唄の底流には、国境、民族差を越え、誰しもに心当たりがある情緒の襞に触れるところも魅力の一部なのだという気がしてならない。
(2014.5.2)
(レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
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