YeYe『パレード』
赤い靴『また逢いましょう』
MOLICE
『Thinkers』
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“クラウドファンディング（crowd funding）”という言葉をよく見受けられることが増えた。日本でも少しずつ浸透してきてはいるが、要は、インターネットを介して、一般の方から資金支援やサポートを募るもので、音楽の分野でも散見されるようになっている。このMOLICEの新作はその手法によって制作資金を得て、今春のリリースにまで行き着いた。クラウドファンディングには負の側面も指摘されるが、HPでメンバーの武田ユズルが記しているように、「何事も効率の良い事が最高とされているご時世だが、僕は、たった何小節かのギターを弾くために、何時間も何日も、音を探し続けるような、恐ろしく非効率な事をやってきた。」という矜持と、こつこつと積み上げたキャリア、ファンとの間で築きあげた信頼関係の中でこそ、成立したのだと思う。ニルヴァーナの亡きカート・コバーンが少年ナイフに入れ込んでいたのは有名な話だが、彼らも異国のファンが多く、このアルバムも日本のみならず、北米地域（アメリカ、カナダ、メキシコ）でもリリースされる。グローバル化とファスト化が叫ばれる瀬に、こういった気骨のあるバンドは頼もしく、ニューウェーヴ、ポスト・パンクの流れを汲んだソリッドなサウンドにキュートなRinkoのボーカルが軽やかに響く。
(2014.4.28)
(レビュアー：松浦 達（まつうら さとる）)
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