ペンネンネンネンネン・ネネムズ『東京の夜はネオンサインがいっぱいだから独りで歩いていてもなんか楽しい』 Next Plus SongA(c)『雪跡』
おいしいはなし
『ピンク色のけだもの』
 一聴、少し舌ったらずの声が初期のジュディ・アンド・マリーのカラフルさを思わせるバブルガム・ポップの色を持ちながらも、奇妙なハーモニー・ワークや寓話性の強い詩世界とともに、最初の一音目の印象から、聴き終えたあとには、捉えようのない不思議なサイケデリアに訴求された感覚が残る。おいしいはなし、というバンド名もそうだが、このまるでメタ・渋谷系的なMVの「ピンク色のけだもの」を収めたデビュー・アルバム『部屋、海、草原』の中の曲もいわゆる、“うたもの”と呼べるものからザ・パステルズのようなアノラック・サウンド(トゥイー・ポップ)、チルウェイヴ以降のエッセンスを汲んだ脱力的なものまで兎に角、とりとめない発想を玩具箱に閉じ込めた、そんなところが面白い。だからこそ、まだ、バンドとしての今後はどこへでもいける限り、どういった舵取りをするか、という点でも未知数の部分もあるものの、ポピュラリティはすぐに得ていきそうな気がする。
(2014.2.14) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
 


   
         
 


 
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