lego big morl 『Wait?』
羽田りさ 『always』
YUKARI
『Marginal Man』
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韓国はソウルを中心に活動しているポスト・チルウェイヴの才女、YUKARIは先日デビューEP『ECHO』を上梓した。彼女は自分のフェイバリットに、同じく韓国のチルウェイヴ・デュオGoogolplexの名を挙げているそうだが、彼らのトラックメイキングはチルウェイヴの正道と言っても良いくらい完成されたものであるのに対し、YUKARIの場合はまだ未成熟ながらも、そのチルウェイヴという箱庭でアイディアが思いつくままに目一杯に遊んでいるような印象を持つ。『ECHO』は非常にバリエーションに富んだ作品で、「Marginal Man」はチルウェイヴマナーに沿ったドリーミーなナンバーだが、「Just Freinds」などはLAビート界隈のサウンドを彷彿とさせる。また、「1,2,3」はシンセの音色の変化がユニークなナンバーだ。この曲を聴けば、彼女のトラックメイキングで最も特徴的なものはシンセの音色に対する敏感さと、音色のセレクトの際の独特のセンスだということがわかる。そしてやはり、特筆すべきはこのソングライティング能力だろう。耳に残るメロディと言うよりは空間に残り、雰囲気を形作る彼女のメロディは、どんなにトラックで遊んでも決して崩れることはない。韓国のインディというと弘大(ホンデ)シーンに注目が集まりがちだが、その他にも彼女のような優秀なアーティストが存在していることが、今の韓国におけるインディシーンが形成している層の厚さを感じさせる。
(2014.1.29)
(レビュアー:八木 皓平(やぎこうへい))
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