オトループ『消印東京』
工藤鴎芽『モンスター』
Lantern Parade
『木の葉散る』
ツイート
ランタンパレードは儚い。その現場で体感した人なら尚更だろうが、ランタンというものの明かりは花火と違い、ふわりとした暖色を示す。ランタンパレードを名乗る清水民尋が作り上げてきた音楽は旧き良きソウルやハウスなどサンプリングをカット・アップし、バウンシーにそこにポエトリー・リーディング調に自身の想いや言葉を捲し立てる、ときにハードなパンク精神も見えるスタイルであった。ただ、ひとつの転機となった2011年のこの『夏の一部始終』ではいささかの疲れとレイドバックが見られるシンプルなバンド・サウンドを呈示している。リハーサルが終わったのか、ギターケースを背負う男が何気なく街を歩く。諦念とぼやきのようなリリシズム、行間に滲むピアノ。ただ、日々を生きることに付き添う憔悴や倦怠が当たり前に街の雑踏の中で見慣れた景色は終わらず、曲だけが終わる。そういえば、長崎で観たランタンパレードの終わりもよく分からないものだった。
(2013.12.4)
(レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))
このレビューは、公開されている音源や映像を当サイトが独自に視聴し作成しているものです。アーチストの確認を受けているものではありませんので、予めご了承ください。万一アーチスト本人がご覧になり、表現などについて問題があると思われる場合は、当サイトインフォメーション宛てに
メール
をいただければ、修正及び削除など対応いたします。