2014年7月のmusipl.comでのレビューから、年間ランキングレビュー1位、12ヶ月連続アクセスランキングトップ10入りと注目を浴び、CDリリースも果たしたケリーマフ。その1stから実に20ヶ月の制作期間を経てリリースされた2nd『with Trash Beat』が好調だ。レコ発を終えツアー真っ最中の彼らにインタビューをこころみた。
彼らの荒々しく吠える表現スタイルとシンプルでスタイリッシュなサウンドの心地良さの原点を探って。
【今回のCD『with Trash Beat』について】
musipl「6月21日にリリースになったニューアルバム『with Trash Beat』は、前作『The Band Name is』と較べてどのような違いがありますか?」
瑞樹「1stと同様に鳴らして鳴らして叫んで叫んで。個人的には何作目も音楽は変わらず、ケリーマフはアルバムの中身を強く、濃くしていくだけですね。」
クボ「収録曲が違うんで、違う雰囲気に感じるかもしれませんが、前作と根本的なところは変わらないと思います。」
kajiwara「前作はケリーマフという“バンド”を前面に出したアルバムだったのに対し、今回はさらに突っ込んで“ケリーマフの曲”というのを意識したアルバムになってると思います。」
瑞樹「また、今回クボが初めて作詞しました。この変化には新鮮でわくわくしましたね。作曲でいえば私はメロディーラインをスカッと耳に残るようにすることにこだわり、クボは確固たるガレージ感とかロックンロールが中心にあります。得意分野が2つあるのがケリーマフの強みです。」
musipl「前作はバンド結成以来作りためた作品の集大成、今作はその後に作った作品を形にしたのですか?」
瑞樹「いえ、必ずしも新曲ばかりではありません。例えば「ニュー・トラッシュ」はかなり古い曲なんです。1st以降にも曲は作ってましたが、2ndに必要だと思ったのは新旧含めて今回の6曲でした。」
クボ「今作の収録曲は結成当時からやってた曲もあるし、レコーディング直前に仕上がった曲もあります。気持ち上の違いは特にないです。」
瑞樹「実は1stの発売から半年後に『with Trash Beat』は一度完成してたんです。マスタリングまで終わってたんですが、その間にもCDが全国流通になったことで環境の変化を感じ、「このレベルのものでは通用しないかもしれない」とふと思って、一度ボツにしました。その気持ちを持ったまま2ndを流通させることははできなかったんです。その気づきは今思えば大事なことだったんですが、当時はすごく悩んでしまいました。最初のレコーディングのためにすごく打合せしたし、練習したし、費用もかかったし、もうマスター出来上がっちゃってたんですけど、その「通用しないかもしれない」という気持ちをスタジオ帰りにメンバーに聞いてもらって、作り直したいと伝えました。」
kajiwara「最初はびっくりしたけど、瑞樹らしいなあと思いました。」
瑞樹「そこからまた練習して収録曲も考え直して、レコーディングする場所を変えて、エンジニアさんを探して。挑戦したいと思いました。1stから20ヶ月も開きましたが、ケリーマフの2ndとして胸を張れるものが出来ました。」
musipl「アルバム全体の聴きどころはどこでしょう。イチオシの曲はありますか?」
瑞樹「私のイチオシは1曲目の「ウィッチ・ブラックレザースカート」。古い雰囲気だけど前衛的でかっこいい。これを作ったクボに嫉妬してます。」
kajiwara「どれもイチオシですが強いて言えば僕は最後の「ニュートラッシュ」ですね。
クボ「どの曲というのではなく、アルバムを通して一曲みたいに聴いてもらえれば嬉しいです。サクッと聴いて欲しくて6曲入りにしたというのもあるので。」
→【MV『ニュートラッシュ』について】