「amp」の検索結果 141 件
ピロカルピン『ピノキオ』
【宗教の経典のような、突き抜けた先の希望】
ピロカルピンの新譜本当に良いな。アルバム『ノームの世界』からのMV「ピノキオ」と「グローイングローイン」はいずれもピロカルピン独特の淡白なポップサウンドに、苦境の中からの希望が歌われている。苦しいことを苦しいというのはもちろん良いのだが、その度毎に苦しい顔をしていては浮かばれない ...
Radiohead『Man Of War』【もう少し緩やかな20年の歳月であったらよかった、とは言わないし、言えない】
どんな生物にも、“生老病死”という楼門のどこにも実のところ出られはしないのだと思う。脳だけを保存、フリーズして電子化してもその未来の先で、誰が俟っているのだろう。生きたら老い重ねる。そして、ときに病気を患い、“こと切れる”こともある。居丈高な面からじゃなく、きっとすべてはいずれ粉 ...
butterfly inthe stomach『やっちまいなローリングサンダー』【こうやって活動を10年に渡って続けているというのは】
インディーでのデビューアルバム以来注目しているロックバンド。それが2007年だからもう10年だ。butterfly inthe stomachは当時からメチャカッコよくて、一時期ちょっと丸くなったかなという頃もあったが、この新曲はシンプルにカッコよくて嬉しい。バンドってちょっとし ...
Fleet Foxes『Fool’s Errand』【雄大で生命力に満ちあふれたフォークロックの完成形】
6年ぶり3枚目となるアルバムがやっと出た。待ってました、と歓喜の声をあげずにはいられない。もうバンドとしては活動しないのだろうか、とやきもきしながらも長らく待ったかいのある、すばらしい出来栄えだ。フォークロックの温かみを感じられるのはもちろん、雄大で生命力に満ちあふれている。ソン ...
LILI LIMIT『LAST SUPPER』
【別離のあとにどこかで、会者があるだけに、その固定的な部屋は出よう】
最後の晩餐には裏切りが必ず、どこかにある。
だからといって嘆くことはなく、こういうメニューで、こういう配置で、と言ったところで適わないのが人間の持つカルマのような何かで、そこを極端化してしまうと、美術館には誰も訪れなくなってしまう。博物館の方がまだ最後の晩餐に合うように。彼らはず ...
Brushy One String『Chicken in The Corn』【弦一本のギターで唸る一匹狼のコレに、糸電話依頼の直振動を感じました】
ギター構えて何人か集まり目を伏せてるヤツがサムネイルの動画なんか、誰がクリックするかよ。と長年思ってて最近気づいたの。おっさんが若者に対して、彼女が彼に対して、兎も角「スマホばっか見てんじゃねぇ」っていうご意見あるやん。ギター構えて「ボクはうたっているよー♪」って人がスマホいじっ ...
Sufjan Stevens, Bryce Dessner, Nico Muhly, James McAlister『Saturn』【天才ソングライターたち4人が、壮大なコラボ作で「宇宙」を表現】
musiplのレビュー史上、最も長いアーティスト名ではないだろうか。しかも参加アーティストの名前をただつなげただけ。呼びづらいことこの上ないが、文句は私でなく、Sufjan Stevens,Bryce(以下略)に言ってもらいたい。また、どうしてこのプロジェクトが始動したかの説明に ...
岡崎体育『式』【摩耗したものを受け入れて、忘れてしまえるか、そうじゃないか】
ある異地で、不意に激しいスコールに会って、ゲリラ豪雨なんて日本語じゃなくて本当にスコールで、そこで濡れねずみになった自身の後ろには高層タワー群があって、でも、なぜか、熱帯雨林から吹く風にほぐされるように車も拾わずにモールに避難した。大きなモールの中で包摂された自己はまるでそのスコ ...
鳥人間ズ『犬の歌』【頭割れるようなニオイをグッと堪えて飲み込んだ】
... れない。それをグッと堪えることはできなかったのだろうし、堪えることがいいのかというと、そうとも言い切れないだろう。HPには解散の理由をVo&Gの脱退だと書いてある。そして解散前に決まっていたライブ予定はボーカルがソロで出るという。脱退したメンバーが脱退したバンドのスケジュー ...
スピッツ『ヘビーメロウ』【どこかはどこかじゃなくてもいい。どこかがあなたにとって平穏であるように】
Syrup16g「タクシードライバーブラインドネス」って曲の歌詞に「ニュースは毎朝見る ところで思うんだが 占いのコーナーって あれ何?」ってはじまりがあって同意だなと思いながら、「~座の方、ごめんなさい。今日のラッキーアイテムは赤いものです。」みたいなアナウンサーの声がつい耳に ...