The Wedding Present『We Should Be Together』
【テイストを幾分抑えたようなアレンジでも心が踊らされる】
今から考えてみれば、それもどうだろうか、という疑問がないでもないのだが、かつて私は、The Wedding Presentが史上最高にかっこいいバンド名だと思っていた。なんたって、ウェディングプレゼントだもの。くり返すが、ウェディングプレゼントだよ。連呼してみたところ、大人になった私が幽かな恥じらいを抱いたことは正直にお伝えしたい。若気の至りという総括もバンドにとって失礼な話だが、やっぱり彼らはかっこいい。2月に発表したアルバムは過去曲をリワークしつつ、未発表曲も収めたものだ。これはロックダウン中に、メンバーそれぞれが自宅で録音したものを元に作られているらしい。「Locked Down and Stripped Back」というアルバムタイトルもそれと関係あるのだろう。ざくざくした粗さと勢いのあるギターの疾走感が彼らの特徴だ。そうしたテイストを幾分抑えたようなアレンジでも心が踊らされる。最高。やっぱりバンド名も宇宙一! と眠っていた私の若き情熱も呼び覚まされるのだった。
(2021.4.7) (レビュアー:夜鍋太郎)
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