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Eidy『Silk hat boy』【1+1が3にも4にもなっているカッコいい楽曲だなあ】

カッコいいバンドっていっぱいいるよなあ。紹介しても紹介してもまだまだ次々と出てくる。このEidyというバンドもホントにカッコいい。前作の『裏庭』という曲があって、その曲はボーカルZushiさんの甲高い声がけっこうキンキンしている特徴が前面に出てて、人によっては聴きづらいと思うかもなあという気がするものの、この曲ではその甲高い声がサウンド全体にうまく溶け込んでいて、ただただスタイリッシュという印象につながっている。同じ声でも他との組み合わせによって聴こえ方が全然違うんだなあと驚かされる。どちらかというと『裏庭』ではZushiさんの声を前に前に、中央に中央にと位置づけようという意図が感じられ、そうしたくなる特徴ある声質だというのは100%同意するのだが、その結果その声、歌だけがそこにあるような印象にもなってて。それに較べてこの『Silk hat boy』ではビートを中心としたリズム隊がしっかりとサウンドの中心に置かれ、サウンドそのものを押し出そうとしている。しかしそうすることで却ってボーカルの存在感が増し、この曲を単なるビートの曲というより歌モノとしての意味合いを深めさせている。そういう点から、この曲はバンドバンドした、1+1が3にも4にもなっている楽曲だなあと驚かされる。

彼らの情報はほとんど無くて、いや、一応ホームページらしきものはあるんだけれども、各種リンクが貼ってあるだけで、プロフィール的な情報が見当たらないので、彼らがどこでどんな風にして出会って活動しているということはまったくつかめない。いやそんなことはもうどうでもいいのかもしれない。かつてのようにバンドがライブをしてCDを作ってまたライブしてみたいな活動形式は新型コロナの自粛によってもう終わっているのかもしれなくて、だったらどこを中心に活動しているのかなんてどうでもよくて、「ネットを中心に活動しています」ということでもいいのではないだろうか。もちろんそれではどうやって収益をあげるんだという問題は残るわけだけれど、このくらいカッコいい音楽を奏でられる人たちなら、多くの人たちに知られて大きな喝采を浴びるようになることも十分に可能だと思う。

(2020.7.30) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl