Mystery Jets『A Billion Heartbeats』【いかに彼らを求めていたのかが、浮き彫りになった】
紹介するのが遅くなったが、彼らの新作がすばらしい。昨年9月に6枚目のアルバムをリリースする予定だったところ、フロントマンのBlaineの体調不良により、延期されていた。彼の体調について詳しくは知らないのだが、無事にリリースされて本当によかった。ただ、延期のアナウンスで一度おあずけになったことにより、期待やら欲求やらがさらに高まったことは確かだ。ようやく公開された楽曲がずんずん心に響きまくったファンの方も多いはず。私も興奮かつ感動しながら、くり返し聴いている。逆説的に、自分がいかにMystery Jetsを求めていたのかが、浮き彫りになったのだった。壮大で流れるような、単調でなく含みのあるメロディ展開がいかにも彼ららしく、頼もしい。かつてはバンドのメンバーで現在も制作には関わっているHenryは、Blaineの父。親子での活動が印象的な一方で、なんと今作のリリース前にギターのWilliamが脱退した模様。そんな彼らの動向にいよいよ目が離せそうにない。
(2020.6.3) (レビュアー:夜鍋太郎)