レベル27『終わらせたって構わないと笑った君へ』【覚えやすいポイントを何かひとつ持っている】
けっこう、いやかなりシリアスな内容の歌を歌っているレベル27。なのにその歌詞のシリアスさがほとんど入ってこない。歌やパフォーマンスがダメだとかいうことではなくて、画面に釘付けになってしまって他のことに注意を向ける余裕が無くなってしまうからだ。
メンバーの誰を見ても笑っちゃう。この髪型。ヘアスタイル。赤いギターボーカルの奥田大地の髪型、メガネがなかったらどうなるんだろうかと考えたら疑問だらけの袋小路にはまってしまう。他のメンバーの髪型もなんとなくヘンだ。いや、ヘンなのかこれ? 冷静になったら別にヘンじゃないのかもしれないけれど、奥田くんの横に並ぶともう同じカテゴリーに入ってしまって、なんだこのサラサラヘアーはとついつい思ってしまう。メンバーの名前とパートを確認しようとHPのプロフィール欄(メンバー欄)を見ると、奥田大地以外は「オオタ」「アーサー」「アトモスフィア大西」って、なんだこの無国籍感。別にどこの国籍でもいいんだけど、謎だけが深まるし、よくよく見るとギター3人にドラム1人。こんな楽器構成のバンド見たことないよ。なぜギターが3人もいるのに「じゃあオレがベースやるよ」と言い出すヤツがいないんだ??
謎は一切解決しなくて、曲のシリアスな内容もほとんど頭に入ってこないんだけれど、バンドのことは覚えました。良い曲ばかりが記憶に残って「ええっと、アレ誰だっけ、なんていうバンドだったっけ?」というケースは多くて、そういうのは珍しい英単語のバンドに多いんだけれど、めっちゃ損してるなあと思います。その点、レベル27のことはもう覚えた。絶対忘れないと思います。こういう「覚えやすいポイントを何かひとつ持っている」というのはトータルなバンド活動にジワジワと響いてくる、重要で不可欠な要素だと思うんですよねえ。
(2020.4.13) (レビュアー:大島栄二)