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FUKI『ラストシーン』【聴いていてどんどん引き込まれていく個性的な声】

独特の声。この喉の奥を巻き込んでいるような声。多分好き嫌いが分かれるだろう。正直いうと僕自身最初に聴いた瞬間は「?」と思った。ちょっとパスと思った。YouTubeだからさっと次の何かに移ればいい。そんなことは簡単だし実際に最初の10秒も聴くことなく飛ばす曲も多い。だけどどういうわけだか飛ばさなかった。それどころか最後まで聴いて、また最初から聴き直した。なんでだろう? その理由はよくわからないのだけれど、ひとつだけいえることは、何度も聴いた後で、今はこの声好きということだ。クセになる声というのだろうか。これも異論あるだろう。嫌いな人は嫌いでそんなの当たり前だけど、その分強力に好きという人だっているのが、個性的な声の特性だ。そして僕はこの声好きだ。

なんとなくロザリーナの声に似てるかなと思って、以前のレビューなどをみて比較してみた。でも、似てる点はあるけれど、まったくの別モノだった。それはどちらが優れているとかではなくて、別モノ。喉の奥を巻き込むような部分は多少類似しているけれど、巻き込む直前までのブレスなどがまったく違ってて、それらを同じ種類の声質とカテゴライズするのはダメだなと感じた。やはりこのFUKIという人の歌はかなり独特のものであって、だから聴いていてどんどん引き込まれていったのだろう。

(2020.3.20) (レビュアー:大島栄二)


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Posted by musipl