PERO『テイクミー!』
【広島のガールズバンドペロペロしてやりたいわズ。じゃないですか!!】
最近はアイドル側からアプローチするガールズバンドとバンド側からアプローチするアイドルとの境界線がよくわからなくなってて、このMVを観た時もそんな印象を持った。しかしアイドルにしては演奏が本格的だなあ、でも大人が仕込んだバンド系アイドルのテクニックの方が一般的なバンドマンよりも格段に上ということはよくあることだし、まあ、本当によくわからないなあ。なんて思っていたら、違ってました。これは広島のガールズバンド<ペロペロしてやりたいわズ。>ですな(バンド名に「。」つけてると本当に文章にしにくい!)。それがいつの間にかバンド名を変えてて。このMVではなんとなくアイドルガールズバンドみたいなテイストに仕上がってて、騙されました。騙すとか騙さないとかじゃないんだろうけれど、たしかに曲中で全メンバーがアイスキャンディーをペロペロしてて、微妙にヤバい感じはあるけれど、まあ、騙されますわな。いろいろあったんでしょう。昔の名前だと偏った見られ方するとかいうのもあったんでしょう。それでいつの間にか名前変わってて。しかしHPやTwitterのトップ写真ではボーカルのムカイダー・メイが眼球飛び出るかの勢いで目を見開いてて、アイドルっぽさなんてまったくありません。うん、これはむしろキワモノに属する広島の怪バンドそのままな感じでたいへん好感持てます。
彼女たちのYouTubeチャンネルを見ると、3年前まではペロペロしてやりたいズ。としてのMVを公開してて、そこからしばらく間が空いて1年半ほど前にこのPEROとしてのMVを公開し、そこからはPERO TVという企画で怒濤の動画公開。ユーチューバーですかってな勢いで。まあバンドのYouTube番組はどれもMVほどに再生されないんですけど、とにかく動画をアップしまくっててウケる。バンドが知名度をアップして大きくなっていくにはいろいろな方法論があるけれど、どこかの事務所に所属するとか突然大きなタイアップ話がくるとかいう他人の力と運を頼りにしてるんじゃなくて自分たちに出来ることをひたすらやるという姿勢が見えてて、とてもイイなあと思います。普通の人が知らないアイドルグループでもYouTubeの再生回数が100万回超えみたいなのを時々見ると、もういっそのことPEROもMVの中だけフリフリの衣装を着てアイドルMVみたいなのを作って公開したりしてみてもいいんじゃないですかね。そもそもがペロペロしてやりたいわズ。なんだから、何でもアリ的なノリで突き進んで、広島在住ながらも全国区の人気者になっていって欲しいものです。
(2020.1.28) (レビュアー:大島栄二)