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Waater『Just Say It』【どこだろうこの天井の低い場所。それだけでもう興味深い】

どこだろうこの天井の低い場所。それだけでもう興味深い。ライブハウスがどういうところであるべきかということに正解はなくて、そりゃあバンドにも客にも豪華で快適な場所の方がいいんだろうけれど、記憶に残っているのはどうしようもない空間ばかり。何でステージ三角なんだよっていう池袋アダム、何で客席L字型なんだよっていう京都ウーピーズ、ある意味聖地といわれた渋谷エッグマンもどうしてそのど真ん中に柱あるんだよ邪魔だなって感じだったし、名古屋大須のエレクトリック・レディ・ランドだって、今でこそゴージャスなオシャレライブハウスになってしまったけれど、30年くらい前は地下の狭いスペースだった。その天井の低いステージでバンドマンたちが首を傾げながら飛び跳ねる姿。あそこでニューロティカを観たような記憶がある。彼らのパワフルなステージングはこんなに天井の低いステージでも成立するんだなあと感心した。今でこそ立派な設備が整ってないとバンドマンに見向きもされなかったりするけれど、それにライブハウスが乱立して出演条件がいいところじゃないと見向きもされなかったりするけれど、昔は騒音を出すような目的のために貸してくれるオーナーも少なく、だから無理矢理ライブできるだけの場所がライブハウスだったような気がする。ほら、ロックは不良の音楽とか言われてたわけで。一体いつの話なんだと思われるかもしれないが、昭和の終わり、平成の最初まではそんな感じだった。令和の今となってはもはや歴史上の物語でしかないのだろうけれど、こういう天井の低い場所でパフォーマンスやってるMVを見ると、まだまだそんなに過去の話ではないのかもしれないと嬉しくなる。

(2019.12.16) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl