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FKA twigs『home with you』【多重的な要素が詰め込まれた音の中に、彼女のむき出しの歌声】

デビューアルバムから5年が経ち、待ち焦がれた2ndがついに出た。曲調的に相応しい形容ではないかもしれないが、彼女のアルバムはリスナーの心を暴力的なまでに激しく揺さぶる。前作から大きく路線変更したわけではないのに、完全に圧倒されてしまった。鋭く、切れ切れの音、胸騒ぎしかしないようなリズムすべてが、ある種の祝祭めいた喜びとして感じられる。近未来的R&B、あるいは実験的ポップネス、とでも言えばいいのだろうか。うつくしく、どこか不穏で、激しくて、エモーショナル。これらの多重的な要素が詰め込まれた音の中で、彼女のむき出しの歌声がしっかり絡まっている。そこに潜んでいるのは、その色合いも複雑な、さまざまな感情の渦だ。彼女の曲が照らし出す射程はあまりに広い。一度には味わい尽くせそうになく、何回もくり返し聴きたい。そのたびに新たな感動が生じるはず。また、壮大に展開する曲に相応しい、魅力的な表現満載のMVにも要注目だ。

(2019.12.4) (レビュアー:夜鍋太郎)


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Posted by musipl