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POLYSICS 『Piko』【もはや伝統芸の守護神のようなパフォーマンスに感動】

POLYSICS久々に見た。つい最近アルバムがリリースになったのでそのプロモーションの一環だと思うが、本当に変わってないというか、もはや伝統芸の域に達していると思う。出てきた当時、彼らは一体どういう扱いだったのかというと、断言は難しいがニューウェーブテクノと言うべきか。しかしニューウェーブというのはもっと前の世代のヒカシューとかの世代で、有頂天といったあたりでも後発のイメージだったので、POLYSICSはニューウェーブのかなり後発のバンドだったと言ってもいいのではないだろうか。それでもメジャーデビュー前から注目を浴びていたし、当時のロックシーン・テクノシーンでも人気者になった。そこまではまあよくある話で。バンドというのはほとんどが長続きしないし、特に音楽スタイルに強い個性や特徴がある場合、それを維持し続けるのか、それとも時代に合わせて大幅に変えていくのかで悩むことになるし、悩んだ結果「もう続けていけないよね」的な結論になることもしばしばだ。そりゃそうだ。みんな歳を取るし、いつまでも若い頃のパッションだけで突っ走る訳にはいかないよ。バンドならば尚更そうで、メンバーがひとりまたひとりと疑問を抱き始めると、その流れを止めることはかなり難しい。そうやって散っていったバンドたちが死屍累々とある中、乗り越えてきて22周年。POLYSICSってすごいよなあと改めて思う。何がすごいって、デビュー当時でさえニューではなかったニューウェーブのスタイルを、過激な状態で維持し続けているのがすごい。これをニューと呼んでいいのだろうか。微妙だ。しかしはっきりと言えるのは、彼らが年齢を重ねているということをまったく感じさせないということだ。令和の時代にいったい誰がこのサウンドを求めているのだろうか。そんなマーケ的な考えなど知らんわって感じで突き進んでいる感にパンク魂を感じるよ。そもそもDEVOに憧れてPOLYSICSを始めたという、その初期衝動をすべてに優先させて突っ走ってるのだろう。パワフルだし、ピュアだし、彼らを信じて愛してきたファンは幸せだろうなあと羨ましくさえ思えてくるよ。ニューとは思えないニューウェーブを維持し続ける姿は、いまだに悪魔メイクをして我が輩は悪魔だと言い張ってるデーモン木暮を彷彿とさせる。本当にすごいよPOLYSICS。

(2019.10.12) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl