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PARKLIFE『EYES』【君の目玉と僕の目玉をグルッとえぐって取り替えっこ、を思い出した】

昭和の怪人シンガー松尾一志の迷曲に『とりかえっこ』というのがあって、そこでは「君の目玉と僕の目玉をグルッとえぐって取り替えっこ」というかなりグロい表現が出てくる。そんなにグロくインパクトある表現だけれども、歌われているのは「あなたの目で見える世界を知りたい」という、割と純情な憧れの思いだった。誰かの目に映るものを見たい知りたいというのはいつの世にも普遍的にある願望なんじゃないだろうか。もちろんそんなことはできないので、普通の人は諦めるのだが、場合によって人は盗撮したり盗聴器を仕掛けてその人の本音に近づこうとする。もちろんそこまでやるのは違法だし、法律判断の以前にダメなことだ。親子の間でも、子供の日記を勝手に読むとかダメなのであって、親しき仲にも礼儀あり、いや、親しき仲だからこそ相手を尊重するべきなのであって、直接聞くならばともかく、知らない間に勝手に内心を探るとか、絶対にやったらダメですよ。だって、されたらイヤじゃないですか。

そんなわけで、このPARKLIFEの曲も愛する人の目の片隅に自分の目を移してと歌っている。こういう願望って普通にあるのだろうかと考えてみると、そうそう、僕らも知人のSNSに投稿される写真とか眺めて楽しんでるじゃないかと思い当たる。そうか、僕の目玉と君の目玉をグルッとえぐってとりかえっこと歌うグロさと、友人のSNS見てイイね押したりすることと、基本的には何も違いはないのかもしれない。相互にフォローしてイイねを押したりするならまだしも、自分だとはわからないアカウントで一方的にフォローして、イイねも何も押さずにただただ眺めてるとか、考えてみると脳内で目玉をえぐることを想像するのに匹敵するくらいのグロさではある。時々インスタをフォローしてくるアカウントが、そのアカウント自体は非公開になってて、誰だこいつと不気味な気持ちになることもあるし。

そんな不気味でグロいことを考えるきっかけにしてしまったけれど、PARKLIFEの曲は実に爽やかで情感にあふれた楽曲でした。みなさんも是非聴いてみてください。

(2019.9.12) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl