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Crispy Camera Club『ネイビー・ショア』【彼らの新作MVは驚くほどのトロピカーナ感】

Crispy Camera Clubの新作MVは驚くほどのトロピカーナ感にあふれていた。ちょっと待て。彼らは京都のバンドで、最初のMVは叡山電車で奥まで行った山の中で撮影してただろう。良い感じのウッドハウス(?)前で歌ってた姿がとても印象的だった。レビューしたのは2年半前のことです。それから時が過ぎ、久々に見た彼らのMVがこんなにトロピカーナでいいんだろうか。良くない? いや、別にいいんです。思えばそのウッドハウス前で歌っていたMVの歌詞では、お気に入りの電車に乗って「海へ行こうよ」と歌っていたわけで、その時の叡山電車では海に行くことは絶対にできなかったのだけれど、2年半の時を経て、彼らは海へ行ったんですな。素晴らしい。しかし丹後鉄道に乗って京都唯一の海、日本海の宮津あたりに行くのではなく、こんなヤシの木が生え揃った、大きめのボートというかクルーザーというか、そんなのが係留されてるような海に行ったというのがちょっとビックリで。どこなんですかね。ロサンゼルスとかですかね。でもスケボーしてる夕暮れのシーンで、久里浜っていう表示のある道路標識あるから、海外ロケじゃないんだな。横須賀の近くだな。でも全体の印象は本当にトロピカーナで、海外ロケしましたと宣言されたら疑うことなく信じただろうなというくらいの出来映え。よく考えたら前回のレビューMVでも、京都郊外なのにアメリカーンな雰囲気を醸し出していて、彼らは本当に無国籍的なムードを作り出すのがうまいなあと感心します。でもそれは映像だけによるのではなくて、彼らの楽曲が持っているなんとなくどことなくのアメリカーンなテイストが大きいのだろうと思います。ねえ、いくら映像がアメリカーンでも、本当にアメリカロケしていても、石川さゆりがこぶしを効かせて天城越え歌ったら、もうその映像は天城峠にしか見えないだろうし。だからやっぱり、彼らの曲自体が日本の中だけに通用するせせこましい日常を表現するのではなく、もっとワールドワイドに通用するようなスケールをもったポップミュージックなんだろうと思います。ニューアルバムのタイトルが「ROMA」で、「ロマ」と読むらしいんだけれど、言われなければ普通に「ローマ」と読んでしまいます。やっぱり、ワールドワイドなバンドなんだろうという気がします。真実かどうかはまったく知りませんけど、そう思います。

(2019.8.23) (レビュアー:大島栄二)


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Crispy Camera Club, review, 大島栄二

Posted by musipl