ポタリ『途切れた呼吸』【良いバンドだったのになあ、解散は惜しいなあ】
ポタリのレビューを最初にしたのは2015年、で、今が2019年。彼女たちも解散してしまう。ボーカル鈴木奈津美の声が好きで。声質だけなら可憐な声と言っても差し支えないだろうにサウンドはロックで、歌声もトータルでは強さを見せていてロックで、好きだった。過去形にしてしまうのはどうかと思うが、好きなバンドの終わりというのはやはり寂しいですな。HPのコメントに、最新アルバムが最高傑作で、すべて出し切ったと書いてあるけど、それはウソだと思う。本人たちにウソを言っている意識はないだろうし、反論を受けるかもしれないと思いつつも、やはりそれはウソだと思う。バンドは常に進化していくもので、現時点で最新アルバムが最高傑作であったとしても、1年後2年後に次の新作を出したなら、きっと今の最新アルバムを軽く凌駕する傑作が生まれるはず。バンドというのはそういうものだ。だが、バンドに必ず終わりが来るもので、解散と同時に最後の作品が永遠の最新作となってしまうのであれば、やはりそれが最高傑作であり続けるのだろう。そういう意味では、彼女たちの言っていることはウソなんかではない。
いつかこれを超えるものをとファンの誰もが期待する中、その期待は過剰ですよとバンド自身が否定し、終止符を打つ。ある意味鮮やかで切れ味の良い幕引きではあるだろう。しかしそういう終わりをたくさん見てくると、次の新しい活動に期待するよという餞別の言葉とは裏腹に、またこうして、というもどかしい気分に包まれてやりきれない。
ポタリの解散は3月30日。今週末のその日まで、全力で突き進んで行ってもらえればと思う。
(2019.3.26) (レビュアー:大島栄二)