フレンズ『地球を越えても』【緩さと爽やかさが曲全体に溢れてて滲んでるパーティーバンド】
宇宙人設定なのだろうかフレンズ。地球を飛び出してどこかの星のパーティーに潜入してもすぐに馴染んで楽しんでで、結局ステージに上がって演奏しちゃうって、前回レビューした『常夏ヴァカンス』とまったく同じで。同じといってもそれはマイナス評価をしようというのではなくて、逆にすごくイイなという感じ。どんなシチュエーションでも自分がしっかりとあるということ。そして明るい。10年以上前にパーティーロックというジャンルが登場して、いろんなバンドが「僕たちはパーティーロックバンドです」と主張してたのを思い出すが、そのどれもが真剣過ぎて暑苦しくて、そんな音楽が流れてるパーティーに行ったら居心地悪くてすぐに帰りたくなるよなと感じていた。ミュージシャンというのは本来自己主張の強い種族ではあるので致し方ないのだけれど、それにしても押し付けがましいパーティーはイヤだよなというのは本音。そんな想いを強く抱いてから10数年、フレンズは良いよ。彼ら自身がパーティーロックバンドとかパーティーポップバンドとか言ったりしてないと思うけれど、彼らこそパーティーバンドだし、彼らがパーティーの場にいたらとりあえず歌ってよ演奏してよとお願いしたいくらいだ。お願いしたらにっこりと笑顔で応じてくれるだろうし、演奏してくれても曲の途中であっさりとやめて別のこと始めたりしそう(まったく根拠のない妄想です)だし、それでもこちら側には何の不満も残らないんじゃないかなあというような緩さと爽やかさが曲全体に溢れてて滲んでて、やっぱフレンズ好きだなあと思います。
(2019.3.14) (レビュアー:大島栄二)