THE BOY MEETS GIRLS『サマータイムマシーン』【音楽フェスは30年前の夜行バススキーだ!】
フェスってなんなんでしょうかね。思うに、なんか行っとかないとダメっしょみたいな、そんな感じのイベントなんでしょうかね、知らんけど。30年前なら夜行バスで行くスキーみたいな。別にスキーがしたくてしたくて仕方ないわけじゃないけれど、友人たちと泊まりがけでどこかに行ってなんとなく楽しいし目的がちゃんとある的な建前があるから行きやすいよねみたいな。知らんけど。スキーの場合だと運動音痴は転んでばかりでツライけど夜は宴会だし温泉入れていいよねとか。でもフェスだと音楽聴いてなんとなく踊ってる風に身体動かしてればいいから誰でも参加できるし、楽っちゃ楽。でも野外フェスの場合天候とかあるでしょ雨降ったらライブ観てるのもツライでしょ。スキーだってそうだよ、すげえ雪降ったら上級者でもなければ滑るの大変だし、景色も見えないし遭難する可能性だってあるし、それに較べたら、さすがにフェスで遭難の危険は無いっしょ。知らんけど。というわけで、若者が堂々と集まれる口実としては、かなり昔なら夏祭り盆踊り、30年前なら夜行バススキー、で、今は音楽フェス。そんな感じではないのでしょうか。ホント知らんけど。だから大半のフェス参加者はどのバンドの演奏を楽しみたいとかじゃなくて、あの子と一緒に遠くに出かけたい、そういうモチベーションのイベントなのでは無いでしょうか。だって、フェスで何万人もいる炎天下の客席でライブ観るより、本当のファンだけが集まっている数千人のホールで見た方がより音楽に集中できるのに、フェスは満杯ワンマンホールライブはスカスカみたいな現象はよくあるみたいで。そういうのも僕があまりフェスが好きになれない理由ですが、実際のところは、もう一緒にフェスに行こうぜみたいな仲間が周囲にいないことなんじゃないかなあとも思います。知らんけど。
THE BOY MEETS GIRLSが歌うサマータイムマシーンは、そんなフェスの雰囲気がよく表現されていて、それでいて軽妙なリズムでノれる。名曲だと思います。彼らこそあらゆるフェスに引っ張りだこになってしかるべきバンドじゃないでしょうか。
(2018.11.5) (レビュアー:大島栄二)