Perfume『無限未来』
【進化とも違う、続くための変化。変わらないようにするために変わっていく】
NHKの意見広告みたいなCMで歌っていたのはどのくらい前だったのだろうか。ググればきっとわかるのだろうが、わかったところで意味があるとは思わないのでいちいちググらない。3人は一貫してイメージを保とうとしているのかヘアスタイルを一切変えない。遠目でも誰なのかはすぐにわかる。だがこうして今年のMVを見るとやはり時間が経過していることを感じるし、10年前と同じままというわけにはいかないことを知る。その変化はあくまで変化であって、衰えというものではない。時の移りとともに少しずつ少しずつ変わっていく。進化とも違う、続くための変化。変わらないようにするために変わっていく。あたかも鴨長明が鴨川の流れを「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」と詠んだように、絶えず流れていくPerfumeというと言い過ぎだろうか。同時代の女性アイドルたちがグループを組み、卒業と称してメンバーを入れ替えながらフレッシュさを保とうとする流れとは対照的に、彼女たちは変わらないことで命をつないでいる。そこに覚悟のようなものを感じざるを得ない。この曲のタイトルのように無限の未来にまで彼女たちはPerfumeとして生き続けようとしているのではないだろうか。そんなことは無理に決まっているはずなのだが、もしかして彼女たちなら出来るのではないのかと、ありうべきも無い妄想を掻き立ててくれるようで興味深い曲であり、パフォーマンスだ。
(2018.8.18) (レビュアー:大島栄二)