陳敏『燕になりたい』【二胡を手にとったきっかけの代表曲】
某市の二胡サークルのこと。役所登録で演奏求人情報が共有される。ウクレレ教室や学生四重奏らがサークル登録して、駅のお祭り広場、老人ホームほか演奏を求める場とマッチング。楽器背負って街イベや慰問の会場に行くと、普段接点も無いお客さんが、程良く拍手をくれるのはいい温度だと思う。次回を待たれると応援されて、演者も練習のモチベーション。サークルの発起人は、演者が交代で客の役を演じる小演劇的構造のライブカフェで「君の音楽を誰が聞きたがっているんだ」って脳直の声がして、演者や関係者ではない聞き手を探したのだという。終わらない文化祭に浸りたいのは変わりないが、ライブハウスへの自己満課金は卒業できたらしい。
二胡を手にとったきっかけの曲をアンケートすると、古参は『賽馬』などの古典、同年代『燕になりたい』、ちょっと下の世代『十二楽坊』とか、聞けばなにか原点に帰るものがありますね。
(2018.8.16) (レビュアー:北沢東京)