BARBEE BOYS『なんだったんだ?7DAYS』【なんだったんだあの頃の髪立て文化は】
BARBEE BOYSって80年代後半から90年代にかけて活躍したバンドの中でもちょっと特殊なポジションだったように思う。スライダースやBOOWYほど実力派的な認定ではなかったし、BUCK-TICKのようなカリスマ性爆発という感じでもないし、ハウンドドッグのように疑似宗教的な雰囲気もなくて。だからREBECCAや渡辺美里あたりと近い存在感だったのではないだろうか。その3者はいずれもソニーレコードで、ソニー的なアーチスト開発の特徴がよく出ているよなあと思う(例えばちょっと前にはプリプリがいて、直後くらいにはユニコーンがいた)。しかしよく考えてみるとギターのいまみちともたかやベースのエンリケはもっともっと評価されてもいいはずだし、そういう実力者に支えられてステージを縦横無尽に駆け回っていたツインボーカルのKONTAと杏子は、共にハスキーな声を絞り出すように全力で歌うことができた。手足の長いいまみちともたかとエンリケのアクションはステージ映えしたし、実際ライブはとても盛上がっていた。それにしてもこうして当時の映像を見ていると、この髪立て文化は一体なんだったんだと思ってしまう。BUCK-TICKが当時ダイエースプレーというのを使って毎回髪を立ててたわけだが、バービーもいまみちともたかがめっちゃ髪立ててて、そもそも顔が長いんだから髪立てたらさらに顔が長く見えちゃうじゃないかと当時から思ってたけれど、今見返すとやっぱり思う。それも彼らにとっては目立つためのひとつの作戦だったんだろうけど、もっと他にやりようがなかったのかという気はする。いやまあどうでもいいことではあるのだけれども。
(2018.7.21) (レビュアー:大島栄二)