Yonatan Gat『Cue the Machines』【このごちゃごちゃした最高な音楽を堪能あれ】
元々、イスラエルのオルタナかつサイケなバンドのギタリストだったらしい。その前提を踏まえると、民俗的な歌声、ほとばしるようなギタープレイ、たたみかける曲展開、という特徴が納得できる。さらにサーフロック、ガレージ的要素なんかも加わり、噛み応えがあるというか、ごちゃごちゃしている感が楽しい。それでいて、とっ散らかってる感じがしない。例えるなら、部屋にやたらと物を置いているけれど、それは「あえて」であって、ちゃんとどこに何があるのかわかっている状態だ、みたいなことだろうか。例えがきちんと伝わったどうか不安だが、私は母に、「どこに何があるかわかった上で散らかしている理論」を振りかざした過去を思い出し、猛省した。というのも、結果的に、大切なプリントをなくした、教科書が見当たらない、古いパンが見つかる、などの悲しき事態が何度となく起こったからだ。それはともかく、このごちゃごちゃした最高な音楽を堪能あれ。
(2018.7.11) (レビュアー:夜鍋太郎)