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前川清『長崎は今日も雨だった』【盤石な位置にいる、これぞ「ザ・ご当地ソング」】

「ご当地ソング」というのは量産されていて、ゆるキャラも増えていて、なかなか温度差がある。そんな中でもこの曲は盤石な位置にいると思える。前川清という存在とともに。あまたの思惑に惑わされているのは当の住人で、長崎に久しぶりに行った際にさだまさし、福山雅治などの錚錚たる面々が何かしらの企画に噛んでいながら、ほんわかと前川清の『長崎は今日も雨だった』が露面電車をやわらかく包んでいた。

歌謡曲のロマンは大文字をなぞり、角を矯めるところにあるのかもしれない。長崎は雨が多くても、雨が多い長崎の渡来のロマン。眼鏡橋での紫陽花の彩りなど。そして、余韻と生活の中でうたをもう一度、なぞる。生活に馴染んだ指で、感性で。同じときに同じように生きている人などいないとしても、偶さかに場所や気候は落ち合わせるように。グラバー園で、路面電車で、思案橋でも、今日も雨だった。微動だにしない銅像の数々と。

(※2019.3.29時点で動画が削除されていることを確認しました。レビュー文章のみ残しておきます)

(2018.7.5) (レビュアー:松浦 達(まつうら さとる))


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review, 松浦達

Posted by musipl