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スムージチークス『バースデー』【だが、そんな人こそ誕生日は祝うべきなのだ】

誕生日は毎年くるけど、何でそんなに祝うのか。そもそも祝うってなんなのか。ちょうどその日が仕事で忙しいとか、体調が悪いとか、ツキに見放されたどん底の真っ最中とか、そんなことでも容赦なく誕生日はやってくる。忙しいのに時間割きたくないよ、おなか壊してるんだからケーキ食べたら重いよ痛くなっちゃうよ、そんな事情もあるだろう。もう永遠の20歳でいたいんだから誕生日とか祝えないよ、永遠の20歳は言い過ぎだけど、30歳にはなりたくないんだよ、歳とったことを確認したくないんだよ。仕事で疲れてるんだから寝たいんだ。一緒に祝ってくれる家族も友人もいないんだから、コンビニ弁当食ってチューハイ飲んで寝たほうがいいじゃないか。だが、そんな人こそ誕生日は祝うべきなのだ。
人は生きているだけで丸儲け。生命に至らなかった多くの精子と卵子の中から奇跡的に生まれることになって。家族に待ち望まれて来た人も、残念ながらそうではなかった人も、今生きているということは必ず誰かの助けを得てきたのであり、その誰かは、あなたが生きていることを願い、それはつまり生まれてきたことを大切に思ってくれたのだ。誕生日とは、そんな人たちが少なからずいたことを思い出し、自分には生きているだけで価値があるということを確認するための日なのだと思う。責めてそんな日くらい無分別に明るく過ごして良いに決まってるし、明るく過ごすべきなのだ。共に祝ってくれる家族や友人がいる人はいうまでもなく。

スムージチークスのこの曲は徹頭徹尾明るくて、MVではメンバーが無駄にはしゃいでいる。とてもイイと思う。バースデーくらい無駄にはしゃいでいいじゃないか。子供とはいえない分別のある大人だって、この日くらいは子供にかえって自分を寿ごう。生命のあることに感謝して感謝し過ぎるなんてことはないのだよ。

(2018.6.19) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl