Tom Misch『Water Baby (feat. Loyle Carner)』【何かもう圧倒的な「完成」っぷりを感じさせる若き天才】
ものすごい新人が現れたことに間違いはないのだが、弱冠二十二歳、というような表現は、むしろその才能を貶めているのではないだろうか。それほどまでに、何かもう圧倒的な「完成」っぷりを感じさせる。とにかくモダンでおしゃれ。派手すぎないバランスのポップネスも兼ね備えているから、聴いていて気持ちがいい。アルバムの曲調もバラエティに富み、粗さ、というものを微塵も匂わせない。ジャンルを駆け抜ける軽やかさや自由さに現れる感性もまた、みずみずしい。自分で疑問を呈しておきながらも、やはり、若き天才、と形容せずにはいられない。間違いなく２０１８年の重要事件の一つと言えるだろう。これだけの作品をいきなり作ってしまって、今後どんな曲を生み出すのか、まるで想像がつかないが、「天才」だからこそ、まさかのメタル一辺倒、みたいなことになったとしても、ものすごいものができそうだ。とびきり旬な才能に、この夏、サマソニで出会える！
(2018.5.16) (レビュアー：夜鍋太郎)
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