Superfly『How Do I Survive?』
【こういう攻めた曲こそカッコいいシンガーだし、そういうのがカッコいい人はあんまりいないんだ】
Superflyが出てきた時にはよく聴いたなあ。でもテレビにあまり出ないアーチストの活動はいつしか日常から薄れていく。手元にCDがあればついつい聴いたりする機会も起こるけどネット上でいくら聴き放題だといっても、部屋の片隅にあるというのと違って検索して自らそこに行かなければ思い出すこともないのでは、やはり自分の暮らしからは離れていくものだ。音楽番組というものがそもそも姿を消しつつある現代では尚更。だから人はSNSで回ってくる著名人の訃報に際し驚きでお悔やみをツイートするくらいしか思い出す機会は持ち得ないのだろう。しかしアーチストは活動を停止してばかりということではなくて、関心の薄い元ファンが忘れている間も普通に作品をパフォーマンスを生み出している。本当に活動を停止している人もいるけどね。
昨年末にあまり関心なく実家で家族と紅白を眺めていたらSuperflyが出てきて。おお、久しぶりに見たなあSuperfly、元気でやっていたんだな、と思ったら病気で長期療養からの復帰だったと知り、なんか情けなかった。知らなかったことを。いや、知り続けることはなかなか難しいのだけれども。あんなに歌が上手くて才能にあふれている人も病には勝てない。だが不治の病ばかりではなくて勝てる病もあるわけで、適切な期間の適切な休養と治療を経て復活する姿は本当に美しい。というか、別に美しくなくてもいいから、健康を取り戻すというのはすべての人にとって大切なことだなあと思わされた。その上で、元気な声の響きを聴けるのはいいなあと思ったよ。
彼女の新譜は6月にリリースの予定で、そのMVはまだ発表されていないので、メジャーデビュー10周年にあわせて公開されたこのMVを感動的なミディアムテンポのバラード的な曲も良いけど、こういう攻めた曲こそカッコいいシンガーだし、そういうのがカッコいい人はあんまりいないんだよ。
(2018.4.14) (レビュアー:大島栄二)