Tune-Yards『Heart Attack』
【思わず踊り出さずにはいられないような音楽だ】
新年早々、およそ3年半ぶりの4作目が発売された。Merrill Garbusのソロプロジェクトだったものが、元々のサポートメンバーを加え、今作から新たに二人体制になったようだ。形態やクレジットはともかくとして、Tune-Yardsの姿勢(態度)は少しも変わらない。これまでも実験的かつ野心的な作品を次々と生み出してきた。どこからパンチが飛び出してくるのかわからないような、驚き、楽しみにあふれた斬新な音楽で、そのリスニング体験は特別なものだった。実際に来日公演を見た際も、多彩な打楽器のリズムとパワフルで深みのある歌声、そして何より開放的なステージングにわたしはいたく感動した。そうした音楽の純粋な楽しさが、新しいアルバムでは、より凝縮され、ダイレクトに感じられる。この曲もTune-Yards史上最高にポップで、躍動感もさらに増している。カラフルなサンプリングも効果的だ。頭に身体に、そのどちらにも訴えかけてきて、思わず踊り出さずにはいられないような音楽だ。
(2018.2.14) (レビュアー:夜鍋太郎)