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aiko『月が溶ける』【いつまでも変わらないよなあ、力の入らない感じの歌い方】

年末にaikoの新曲が出て、そのMVはショートバージョンだったけれども本当の年末の年末大晦日に公開されたカップリングのMVはフルだった。aiko。いつまでも変わらないよなあ。力の入らない感じの歌い方。いやもちろん熱唱する部分ではそこそこ力が入っているんだけれども、それでも全体的には力の入らない感じの歌い方という印象。それなのにリスナーの心にいつの間にかaikoがいるよ。それは染み込んできているとかいう種類のものとは完全に違った、気がついたら心にaikoが。でもそれはどこか外からaikoがやってきたのではなくて、aikoの歌で、元々自分の中にあったaiko的なものが見えてきたということなのだろう。多くのアーチストではこういうバラード的な曲というのはアルバムの中の1曲としてキラリと光るもので、メインの曲はエネルギッシュなポップさやロックさを前面に押し出しているものが割合の多くを占めている。もちろんaikoにもそういうエネルギッシュな曲はあるのであって、ライブでも飛んだり跳ねたり快活なaikoの姿があるのだが、それでもaikoの曲のイメージはと問われると、この曲のような静かに力を込めずに歌っているというもの。ベテランシンガーの声量が徐々に落ちていって、懐かしのステージなんかで出てきた時には「ああ、歳とったな」と思わされる(それは悪いことではない)ことが多いが、aikoの場合は、歳を重ねたところでその声量の故で「歳とったな」と感じることは無いのではないだろうか。そんなaikoも今年でメジャー20周年。昨年はあまりかつてのような精力的な活動は見られなかったけれども、今年は20周年でもっと動いてくれたりするだろうか?

(2018.1.20) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl