のん『スーパーヒーローになりたい』【イメージ通りの方言をそのまま歌っているような、超個性的な歌声】
人気者のわりには5日間で5万再生くらいってどうなんだろうか。女優の彼女にとって歌は本業ではないのだからそんなものなのかという考えもあるが、諸事情によって本業で満足に活躍できないというのだから、歌でガガーンといければ良いのにね。ただこの曲聴いて感じるのは、みこしとして乗っかってるだけで自分の中から沸き出すようなアーチスト性はあまり感じられないというのが正直なところです。ファンの方々、すみません。女優活動やりづらい間にこういうのやっとこうか的なミーティングが事務所で重ねられたのではないかなどと邪推します、すみませんすみません。
そういうことはともかくとして、驚いたというか感心したというか、歌っても能年礼奈は能年礼奈なんだな(いや、のんですけど)ということ。歌声に訛りがある。彼女を知ったのは岩手出身の役のドラマで(多分みんなもそうでしょう)、本人は兵庫出身なのに岩手の言葉がこの人の言葉だと思うくらいに訛った演技がしっくりときてて。でも歌ったら別に岩手の方言関係ないでしょうと思うんだけれども、それでも訛ってる。そうなると、この人の言葉の独特のイントネーションというかニュアンスは、訛りなどではないということなのだろうかと。よくわからないのだけれども、あのドラマでのセリフもみんな岩手の方言などではなくて、のん弁だったのだろうか。この人の声がそもそも標準ごとは違った何かで、そういう独自の何かを持っているのだろうか。
聴いていて面白くもなんともないのは、誰が歌ってるのかよくわからない、個性に欠けるボーカルの歌。そういう歌しか歌えない人はボーカリストの才能は無いと言っていいだろう。少なくともポップやロックのボーカリストには向かない。そういう視点でいえば、のんという人はまさにポップロックボーカリストの資質を十二分に持っているといえるのではないだろうか。その結果楽曲を含めて魅力あるものになるのかどうかはまた別の要素含めての話なので、今の時点で成功が約束されているわけではないのだろうけど、少なくともこの歌声の個性的な点には驚かされた。
(※2018.1.3時点でリンク動画が削除されていることを確認しました。レビュー文面のみ残しております)
(2017.12.9) (レビュアー:大島栄二)