シュノーケル『いいじゃん』
【山も谷も越えてきた故の、自然体なポジティブミュージック】
肩の力がまったく抜けた感じのポジティブメッセージソング。だと思う。登場するバンドメンバーがことごとく普通のおにーちゃんで、それが嬉しそうに楽しそうに楽器を鳴らして歌を歌ってて、こういうのホントに好感持てる。ただ、このシュノーケルというバンドは元々こんなじゃなかったような気がする。わりとシリアスでマジに歌い上げるタイプのバンド、だったと思う。でもこの曲では何かが吹っ切れたかのような等身大の姿で自由で、素晴らしい。メジャーデビュー経験もある彼らだし、昔からのファンも多数いて、そういうファンにとってはもしかすると従来の路線の方が好みなのかもしれないし、「いやいや、アルバムの中にはもっとバラエティ豊かな曲調が入ってますから」と怒られるのかもしれないけれど。意図的にカラーを変えようというものなのか、それとも経験を重ねる中で自然体が出てきた結果なのか、いずれであったとしてもこういう普通のおにーちゃんが肩の力を抜いて楽しくポジティブというような音楽はもっとあって良いと思うし、そういうテイストの彼らが再ブレイクしたとすれば、それは現在の音楽の流れに一石を投じるような素敵な出来事になるような、そんな気がするのだ。もちろん、そういう自然体で他バンドとの違いを打ち出していくというのはなかなか難しいことなんだけれども。
(2017.12.5) (レビュアー:大島栄二)