ORANGE POST REASON『バックパッカー』
【自己主張のあるこういうドラム、ホント好き】
こういうドラム好き。イントロから全楽器がジャーンと鳴っているんだけれども、僕の脳にはドラムソロによるイントロというイメージが生成されてしまってる。そのドラムフレーズのまま歌が始まるものだから、AメロBメロもずっとドラムだけ鳴ってて歌が乗っかってるように思い込んでしまう。いや、ギターもベースも鳴ってる(はず)なんですけども。で、サビでドラムの叩き方が変わって、それで他の楽器もドドドドーンと存在しているのを認識できて。リズム隊はどうしても縁の下の力持ち的な役割に徹することが多くて、リズムがきちんとしていなければ曲はたちまちグチャグチャになってしまうんだけれども、ちゃんと演奏すればするほどその存在感が普通のリスナーには忘れられてしまうようなところがある。シャイな性格で目立たない方がいいというメンバーだったらそれでもいいのかもしれないけれど、ちゃんとやってる人にはちゃんとスポットが当たった方が良いんじゃないかなあと常々思ってる。だから、こういう目立つドラムが聴ける曲に出会えるとなんか嬉しくなるし、ワクワクする。いや、ドラムが目立つには他のメンバーのバランス上の配慮が絶対に必要で、全員が「オレも目立ちたい」と言い始めたら収拾つかなくなって結局曲として成立しなくなるので、だから、この曲では他のメンバーだって十二分に貢献してこのサウンドが成り立っているということは最後に強調しておきたいです。
(2017.10.2) (レビュアー:大島栄二)