The National『Day I Die』【猛烈プッシュしたい、米インディーシーンの知性派バンド】
アメリカインディーシーンをけん引するThe Nationalが、その圧倒的存在感を見せつけるような新作を発表した。インディーバンドファンには期待の一枚だったのだが、高まりまくったハードルを余裕で超えてしまった、すばらしいアルバムとなっている。これは4年ぶり7枚目のアルバムからの曲だが、イントロからの疾走感と、徐々に景色が開けていくような変化を見せる展開のメロディがもうとにかく最高。くり返されるギターのリフもたまらなく気持ちいい。バンドサウンドの枠組みをしっかり残しつつ、少しも古くない、刺激的な曲作りに成功している。職人的かつ芸術的、その両面性ががっちり重ね合った、力強い作品だ。こうしたインディーシーンの知性的なバンドは、ややもすると一部の音楽好きにしか(特に日本では)届かないことも多いが、彼らの「完璧な」作品こそ、たくさんの人にも聞いてほしい。ネット上でもリアルでも、ドン引きされるくらいに激烈プッシュしたい!
(2017.9.27) (レビュアー:夜鍋太郎)