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CRCK/LCKS『Goodbye Girl』
【音源よりもライブという時代に適した陶酔系の不思議なリズム】

いろんな曲を聴いていると、不思議なリズムに出会ったりする。不思議といったって本当の意味で不思議なんじゃなくて単に慣れてないというか、一般的なロックやポップにはあまり使われないリズムということなのだけれど、やはり慣れていないリズムに遭遇すると戸惑う。戸惑うというか、アレっという気持ちになる。コレなんだろうと探りたくなる。その時点で彼らの狙いにハマっているのか、それとも彼らも好きな音楽をやっているだけで別に狙ったりなどしていないのか。まあそれはどうでもいいことだけど、とにかく気になる。基本的には4拍子で流れていく部分でも4拍子じゃないんじゃないかと錯覚させるような各楽器のフレーズが入ってくるので余計に不思議だなあと当惑する。当惑するというか、陶酔するというか。フリージャズセッションみたいな雰囲気がオシャレで、これが完全にフリージャズセッションだったらマニアの世界に突入するんだろうけれども、そうならずに基底にあるシティポップ的なテイストと心地良いボーカルの存在で、マニアだけのものからより広い層に響いていくサウンドになっている様子。つい最近も立て続けに2本のMVが公開されていて、彼ら的にはそちらをレビューされた方が良いのかもしれないけれど、個人的にはよりポピュラリティがあり且つ尖っている印象のこの曲を推したい。

こういう一種飛び道具的なリズムの楽曲ばかりが並ぶアルバムだと、多少飽きるのではないかななどと考えたりもしたが、ライブではこういう陶酔できる楽曲がずらりと並ぶことによって1〜2時間を酔い切ることができる。そういう意味で、音源よりもライブという時代にはより適したバンドなのかもしれない、彼らは。

(2017.8.11) (レビュアー:大島栄二)


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CRCK/LCKS, review, 大島栄二

Posted by musipl