ATLANTIS AIRPORT『NEO TOKYO』【笑顔と根拠無い元気を持った、スーパーポジティブ感】
割と普通。いや、突然こんなことを言ったらまるでディスっているように思われるかもしれないけど、そうではないです。ATLANTIS AIRPORTは2013年の12月にライブ動画についてレビューした（現在は動画がなくなってますけど）んだけど、その時からなにか想像上のバンドのような不確か感、というかつかみどころの無いエキゾチックさがあってとてもインパクトある存在でした。その後のMVも浮遊感というか、CGを駆使した映像で、自分のいる場所にはいない、ある意味ネットの中だけにしかいない電脳的存在のような印象を与えていて、それがカッコよくて、注目してきたわけですけど、このNEO TOKYOはそういった映像からも楽曲からも違っていて、すぐ近くにいるバンドという印象が溢れてて、そういう意味で、今までの彼らと比較すれば割と普通感が出てるなあと、そういうことです。で、この割と普通感というのはやっぱり彼らにとってもチャレンジというか賭けになるんだろうなあと思うわけで。雰囲気や印象が変わることによって、これまでのファンが離れる可能性と、新しいファンが現れる可能性が同時にあって、どっちに転ぶんだろうという期待と不安があるとしたら、僕は、この新味はきっとプラスに向かっていくような気がします。メンバー全員による演奏シーンがずっと続く映像は神秘的な殻を取り払って身近な感じで好感持てるし、この曲が持っているポップさと全力のポジティブ感がとても心を勇気づけてくれる。具体的に何に安心していいよというようなことは歌われていないんだけれど、曲全体から元気が伝わってくる。ヴォーカルsonezakiさんのやわらかい笑顔がさらに後支えしてくれている。やたらと頑張れなんて言うメッセージソングより、こういう笑顔と根拠無い元気のある曲の方が圧倒的に強いし、新しいファンを獲得していく要素を120%備えているんじゃないだろうか。
(2017.8.10) (レビュアー：大島栄二)
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