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鳥人間ズ『犬の歌』【頭割れるようなニオイをグッと堪えて飲み込んだ】

鳥人間が犬の歌を歌うっていうのがとてもシュールだが、聴いてみるとシュールな変化球的な歌ではまったくなくて驚く。野太くともけっしてノイジーではなく、安定的に太い声をドドンと出せるのは、そうだな、エレカシの宮本浩次を彷彿とさせる印象。ロックなのにマイルドで、でもけっしてポップではない。歌詞のシニカルなところもとても良い。飼い犬から野良犬になった犬の気持ちを歌っているが、どことなく、こういう人間もいるよなという気持ちになってくる。ゴミ箱を漁ってやっと得たエサを、「頭割れるようなニオイをグッと堪えて飲み込んだ」というが、犬はそんな思いはしないのだろうと思う。いや、鼻が利くので頭割れるようなニオイを感じるんだろうか。そこのところの生物学的な正解はよくわからないけれど、だけど歌を聴けば聴くほどこれは犬の歌じゃなくて人の歌だと思えてくる。とても良い。しかしながら、このバンドは先月解散をしたという。もったいないな。もったいないけれど、解散するには解散する理由があったのだろう。それはある意味、頭割れるような反吐の出る何かだったのかもしれない。それをグッと堪えることはできなかったのだろうし、堪えることがいいのかというと、そうとも言い切れないだろう。HPには解散の理由をVo&Gの脱退だと書いてある。そして解散前に決まっていたライブ予定はボーカルがソロで出るという。脱退したメンバーが脱退したバンドのスケジュールをこなしていく。シュールだ。普通は逆じゃないかという気もするが、それが、この解散の実態だったのだろう。解散しても、みんなまた続けてくれ。

(※2019.1.22時点で動画が削除されていることを確認しました。レビュー文面のみ残しておきます)

(2017.7.3) (レビュアー:大島栄二)


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review, 大島栄二

Posted by musipl