陸上自衛隊中部方面音楽隊『紅蓮の弓矢』【意味が多重過ぎてクリックする前からゾクゾクした】
警察音楽隊の演奏する「刑事ドラマテーマ曲集」を聴いてうっとりしていたらレコメンドに出てきたのは、自衛隊音楽隊の「紅蓮の弓矢」だった。誰が何の為に、何に対して心臓を捧げているのか。これ、意味が多重過ぎてクリックする前からゾクゾクした。マーチングバンドのドリルパフォーマンスが、調査兵団の陣形とシンクロする興奮の映像。秘めたる個の熱情が、一糸乱れぬ団体行動を、音楽を成立させる。世界で唯一、隊員数より救った命のほうが多く、また、殺した人数よりも救った命のほうが多い武装組織が日本の自衛隊。そして、隊の一人ひとりにも人生があり、痛みや決意がある事を知っているからこそ、そのシンフォニーに敬服する。
(2017.5.22) (レビュアー:北沢東京)