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イツエ『言葉は嘘をつく』

少しばかりハスキーな女性ボーカルによるロックバラード。こういう声が生み出す風景というのはどことなく荒涼な焼け野を感じさせるのですが、このバンドのこの曲はどちらかというと深い海の底をイメージさせてくれました。この「言葉は嘘をつく」という曲の歌詞が何を意味しているのか。世情的な普遍的なことなのか、それとも超個人的な体験のことなのかは聴く人によって感じ方も変わってくるのだろうと思いますが、そういう言葉の意味を前面にイメージするのではなく、トータルなサウンドとして感じるのがこの場合の正解なのではないかという気がしています。いやそれも正解なんてきっとないんでしょうけれど。個人的にはギターのフレーズがもう少しガンと出てくれば、カラフルで強いインパクトを持った楽曲になって普通の人にももっと伝わるんじゃないかという気もするのですが、そうではなくリズム隊の重低音を重視したというのがこのバンドの選択であり表現なのだろうから、それはそれとして受け止めるのが、聴く者のニュートラルな姿勢なのかもなんて思ったりするわけです。

(2014.6.16) (レビュアー:大島栄二)


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Posted by musipl