Quinka, with a Yawn『ハルニレ』
【あの年代、ちゃんと好きなものがあって生きていた】
どんどん音楽をきかなくなってゆく。嫌いになったのではなく、自分がどんな人だったか忘れてゆく。プレイヤーの過去データをたまたまクリックして、これはいいなと思う程度。3年後にはもっと薄れていそうだ。検索結果、少し時代を遡るとSNS以前のフ ...
湯川潮音『ツバメの唄』
【紫陽花の季節に雨が止むと必ず思い出す】
休日の天気予報で雨の確率がけっこうたっぷりめに盛られているような気がします。不公平感なく行動を抑制するための施策だったのかもしれません。雨の降り始める時間とパーセントの予報を見て、自然に外出を控え、当日の夕方頃「そういえば、今日雨振ら ...
O’CHAWANZ『PAST TIME PARADISE』
【大人の女性が幸せのカタチを自分で決める、魂の響き合う幸福確認抒情詩】
青春期の名曲を思い出してカバーしているような永遠のメロディに、未来の自分たちアラフォー女子が独白するタイムライン。仕事で渡米したがズレを感じ帰国した人、今の楽しさや安定を手放せず流されてた人、会社を辞め音楽活動をメインに続けてる人、か ...
小松原沙織『酒がうめえ』
【そうやって一日終われてよかった】
楽器の音色のように機能する単語は発見だ。酒がうめえったら酒がうめえ。コロンコロンとスイングするピアノにのった時に、言葉の意味を超えてリフレインを始める。『酒がうめえ』は荒っぽい言い方ではなく、これには江戸の風が吹いている。稼いだ銭をパ ...
あみのめ『サヨナラ』
【街の記憶、陽射しの記憶、出会いの記憶】
スマホのバッテリー残量が半分以下になってるのに、ゲームの中でパワー回復アイテムを使ってしばらく集中していると、無意識の中では充電が回復していたような錯覚をしていて、バッテリー残10%のアラートにびっくりした。あみのめの「サヨナラ」のP ...
山本紗江『クライザライト』
【夢憧れに棘の道は覚悟の上、飽きないうちは挫折は無い】
M-1グランプリは結成10年規定で芸人に辞めるきっかけを与えていたが、10年たったコンビがピン芸でR-1に、ベテランピン芸人が結成初年でM-1に挑む時代。諦めないやり方がいよいよ分かってきた。高度経済成長の様な景気は来ないなら思うまま ...
洸美『一杯茶』
【台湾系J-POPのもたらす和み溢れた慕わしさ】
ハミングしながら茶畑の丘を越えていったら台湾に着いていた様なhiromi『一杯茶・イベイツア』の軽やかさよ。ポットのお湯に入れると花が咲くように膨らむ茶葉なんて知らなかった!目で鼻でお茶を楽しむなんて知らなかった!他に知らないこと、あ ...
リーメイズム『くじらざめ』
【自分の果たすべき使命を固く信じる者の詩】
偶然通った場所でアジアフェスティバルを見た。フードトラックに衣類雑貨の出店。ステージでは、中国、ベトナム、台湾のダンスやバンド。その中、チベット山岳民族が遠距離通信の手段としてつかう高音歌唱をピアノ弾き語りしていたのがリーメイズムでし ...
みねこ美根『僕らは飛べるようにできてる』
【手のひらで作り出した作品で魅了し、音楽に目を向けさせる作家】
歌を唄う人が気になってネットで検索したときに、音楽以外の活動が並列、あるいは渾然一体となって発信されているとワクワクする。踊って唄い、弾いて唄うのと同様に、歯科医になって唄ってもいい。みねこ美根のMV、実写コマ撮りのクラフトアニメーシ ...
麻緒『ポンコツのうた』
【居ないけど関わってる。見えないけど影響している】
『ポンコツのうた』のミュージックビデオがマルチバース。ギターを持つシンガーが「わかるよ。大丈夫、大丈夫。おっと変なやつが来たっ!」と寄り添うけど、主人公の女性には見えていない。これは、聴いている歌が人間の姿で生きている世界と、私たちが ...