ニブンノセクステット『umi』【ホンモノのダークさが滲み出るすごさ】
潮風の爽やかそうな海の風景から始まるMV。だが歌われるのは破滅と沈降の想い。爽やかとは真逆の内容に似合う、眼を見開いた表情と喉をひっくり返したような怒声のような歌。こういう歌をどうして思いつくんだろう、そしてなぜそれを歌うんだろう、さ ...
ケツメイシ『友よ ~ この先もずっと・・・』
【辛い時は何でも話してよというフレーズが残って進んでいく人生は】
音楽業界に入っていくつか驚いたことがあるが、そのひとつが、ロックバンドが割と普通にアニメの主題歌を担当することだった。え、君の歌は魂の叫びだったんじゃなかったのかそれがアニメか、と。その場合シングルのジャケットがメンバーの写真じゃなく ...
showmore『rinse in shampoo』【私が生きてるこの街もきっと全部ウソで】
リンスインシャンプーって、どうですかね、使ってますか。先日偶然にもリンスインシャンプーを買ってきて使い始めたところ、なんか泡切れが悪い。シャワーで流しても全部流れていかないみたいな感じがあって、今のが無くなったら次はシャンプーとリンス ...
The Taupe『テンプシーコーラ』【年に2回くらいはこういうの聴いた方がいい日がきっとあるはず】
なんでこんなに揺れたビデオを作るんだろう、見てて目がクラクラするぞ、でもこのクラクラ感が一種のトリップにつながるんだろうか、よくよく聴いてると単調なギターリフもトリップ感満載だし。この一種単調な楽曲は一種のラップなんだろうかヒップホッ ...
アキオカマサコ『Less is more 〜より少ないこと より豊かなこと〜』【あなたはあなたになればいい、それでいい】
北海道をベースに活動しているシンガーソングライター。力を入れず、かといって力を抜かず、適度な等身大の歌声が心地良い。MVでは笑顔なのか諦めなのか、内心を読み切れないニュートラルな表情で淡々と歌っている。そのあまりのナチュラルさに、この ...
Self-Portrait『ライブハウスで逢えたら』【バンドマンには「オレの音楽で世界を変えてやる」と心から信じていて欲しい】
バンドマンが「ライブハウスで逢えたら」と歌うのはやわらかなお誘いだし、たった数分で起こせる奇跡というのもバンドマンが思っている自己の拡大解釈のようなものなので、そういう意味ではこの曲は音楽関係者としてちょっとだけこそばゆい気もしないで ...
オガワマユ『定点観測』【あと数センチに手を伸ばしてみようとする意志】
軽快なホーンセクションから始まる曲で、軽快で絶対ポップだぞと思うのにどうもポップではない。いや、曲調はポップそのものなんだけれど、ポップと言い切る自信が無い。何故だろう、何故なんだろうと思うけれど、行き着く答えはこのオガワマユという人 ...
shuto『off』【夜限定の、落ち着かない心を代弁してくれているような】
そろそろか、もうそろそろかとずっと思いながらも全然歌が始まらなくて。もう始まるか、ついに始まるかと思っても始まらなくて。で、始まったのは1分46秒。単なる歌モノとして売れたいのならもう完全に失格でしょというくらいの気の持たせ方。いやあ ...
Julia Jacklin『Pool Party』【まっとうではない何かの先にある、別にイイよね感が素晴らしいよ】
ジュリア・ジャックリンがひたすらルーズに踊っているMV。するとランニング姿の肉体だけマッチョなおにーちゃんが入ってきて体操を始める。不自然だ。不自然だが映像はそうなんだから仕方ない。退廃的というか、淫靡というか、いや、淫靡というほどで ...
ピロカルピン『ピノキオ』
【宗教の経典のような、突き抜けた先の希望】
ピロカルピンの新譜本当に良いな。アルバム『ノームの世界』からのMV「ピノキオ」と「グローイングローイン」はいずれもピロカルピン独特の淡白なポップサウンドに、苦境の中からの希望が歌われている。苦しいことを苦しいというのはもちろん良いのだ ...