Easycome『つつじ』
【ホント心地良い、絶妙なバランスが実現できている心地良い曲】
ホント心地良い。心地良い。3回くらい連続して言いたい、心地良い。この張らない声。音域が広いわけではないのだろう、すぐにファルセットになって、それがまた心地良い。自然体なんて言葉では評しきれない、軽く歌って、その軽さが聴くこちら側の心持 ...
虎の子ラミー『ヒモになりたいZE☆』【どのクラスで暮らすクラスタにも等しく危機感不安感が】
イチローも悩むし、たけしも事故るし、マイケル・ジャクソンなどひとりで死んでしまった。あのスティーブ・ジョブズでさえ病気で死んでしまう。成功して、なんでも手に入る社会的地位の人にも悩みは存在する。穀潰し者の「なんか平和だけど、将来が不安 ...
フラワーカンパニーズ『ハイエース』【今この瞬間を意地で生きているすべての人への力強いエールのような曲】
フラカンはいまもハイエースに乗っているのだろうか。
バンドがツアーで全国のライブハウスを回るとき、新幹線で移動なんていうのはごく稀なケースで、大抵は交通費をできるだけ切り詰めた手段を考える。初ツアーではメンバーの誰かが持っ ...
かろうじて人間『横浜よこよこ』【一種の禁じ手を敢えて冒しているのではないだろうか】
不思議な非現実感が漂う。対立するような概念の言葉が交互に並べられてて、その連続が一定のイメージを思い浮かべることを妨げているのだけれど、ずっと聴いているうちにその「イメージが像を結ばない」ということこそひとつの表現なのではないだろうか ...
ルルルルズ『誰もしらない』【自然体に回帰した印象のある、3年ぶりの新曲】
ファーストからずいぶん待ったぞルルルルズのセカンド。そしてこのMVはずいぶんお洒落な雰囲気に満ちていて、ルルルルズってこんな感じだったっけという気がしないではないが、その予想外は期待外れとはまったく違って、むしろ嬉しい。まあ一般にポッ ...
BUGY CRAXONE『ぼくたち わたしたち』【歳を経験を重ねていく人たちの音楽はひと味もふた味も】
BUGY CRAXONEを一言でいえば、不器用なバンドということだろう。すずきゆきこの特徴あるハスキーなボーカルがとても魅力的だし、サウンドもかなり硬派で、意識的にリスナーに届く曲を適切に出していけばもっと違った今になっていただろうと ...
blue but white『miss you』【もしたった1曲で姿を消したとしてもこの曲が残るなら】
とにかく失敗の連続で、できることならなかったことにしたいことばかりで人生はできている。だけどいちど起きたことはなかったことになどなる訳も無く、なかったことにしたいような出来事への評価ばかりで、誰かから見た僕の評価もできてしまっている。 ...
ecke『ACCESS』【涼しくなるこの季節にマッチする、古いアルバムを思い出させた1曲】
この気怠いミュージックが、夏の名残を懐かしむこの時期にとてもフィットする。サウンドのテイストはシティポップのそれなのだが、そのテイストを蹴散らす勢いの存在感で迫ってくるのがNao Moriのボーカルだ。この鼻にかかるような独特の歌声を ...
MOLE HiLL『モノゴコロ』【ストレートに真正面から前向きなメッセージをズドンと】
ボーカルとよく似た子供が登場するMVで曲のタイトルがモノゴコロ。斜に構えて評するなら割とベタ。だが、そんな斜に構えたシニカルな評が哀れに思えてくるほど、彼らはストレートに真正面から前向きなメッセージをズドンとやってくれている。登場する ...
白瀬百草『hoshinoie』
【まだ何でもない自分を何かに合わせていくことへの抵抗】
ゆっくりとしたギターにゆっくりとした歌が載ってくる。これをスローと呼ぶのかルーズと呼ぶのかは人によるのだろうし、どちらかに完全に決めつけることも個々の人自身の判断としても難しいのだろう。20歳前後の女性が華やかに世の中に出るひとつの手 ...