日食なつこ『レーテンシー』【「漠然とした大丈夫にもう騙される僕じゃない」って、まいったなあ】
子供向けの絵本の名作に「こんとあき」というのがあって、ぬいぐるみのキツネ「こん」と女の子「あき」が電車に乗っておばあちゃんの家に行くというある種のロードムービー的内容。僕はこれが大好きで、なぜ好きかというと、ぬいぐるみのキツネはことあ ...
高橋優『素晴らしき日常』
【まだ笑うことはできるかい? まだ歩くことはできるかい?】
高橋優のメガネルックスがシンガーにとってプラスになるのかマイナスになるのかなんて下卑なことをついつい思って以来もう6年。現状から結論すれば、マイナスになんてまったくなりませんでした。それはやはり歌の良さが何より重要ということの証なのか ...
コシモトユイカ『暴力とガラスと』【自家中毒のように自分自身に刺さっていく歌】
キュートなルックスの女性ボーカルがアコースティックなサウンドで歌い始めたあたりで、もう騙されてる。歌が進むにつれてこの人の毒に、刺に、支配されていくような魅力に足がすくむ想いになる。あなたの心に刺さりたいと言い、ストリートライブでは今 ...
mock heroic『恋をする』【恋をする初期衝動、シンプルすぎるストレートなことが歌われてて】
もうホントにストレート。行間を読めよというような含みを持たせまくった歌詞の曲も多いしそういうのも好きなんだけれど、こういう「行間なんてねえよ、歌いたいことはそのまんまで歌ってるぞ」というような曲に出会うと瞬時にハッとするし、妙に嬉しく ...
ORANGE POST REASON『バックパッカー』
【自己主張のあるこういうドラム、ホント好き】
こういうドラム好き。イントロから全楽器がジャーンと鳴っているんだけれども、僕の脳にはドラムソロによるイントロというイメージが生成されてしまってる。そのドラムフレーズのまま歌が始まるものだから、AメロBメロもずっとドラムだけ鳴ってて歌が ...
太田裕美『君と歩いた青春』【40年で変わったこと】
朝ドラ「ひよっこ」で流れてきた挿入歌。なんともシンプルでなんともコミカルなその歌は「好き好きすー好きっすー」と繰り返しててすごく印象に残る。印象に残るのはその曲がもっているユニークさだけではなく、歌声そのものだ。舌足らずなその声、太田 ...
PINOS『暁』【儚さと力強さが同居する、ツインボーカル2人の決意の歌】
違うタイプの声質のツインボーカル。だから、儚さと力強さが同時に存在していて楽曲として興味深い。歌われていることは別れと、そこから先への躊躇のようなもので、サラリと聴けば失恋の話かと思ってしまう。だが、ある歌詞が気にかかる。「だけどイヤ ...
SBYZ『 (欲張りはるかの)LOVE ACTUALLY』【曲全体から全開で広がってくる幸福感に包まれる】
曲全体から全開で広がってくる幸福感に包まれる。音楽を聴くということはなんとハッピーな体験なんだろうと改めて感じさせてくれる好作。じゃあそこに他の曲に無い特殊な何があるんだろうかと考えてみても、思い当たらない。普通なのだ。普通なんだけど ...
HERE『チャンチャンチャンスDEダンダンダンス』
【笑われるを通り越して突き抜ければカッコよくなっていく】
冒頭から決めポーズをしたと思った瞬間に走り出すバンドマンたち。決まってるのか決まってないのかまったくわからないんだけれども、彼らの猪突猛進な迷いの無さに圧倒される。めちゃカッコいい。ありえないくらい派手な衣装と、躊躇の無いアクション。 ...
The Whoops『恋をしようよ』
【こんなペラペラのギターが鳴ってていったい何故こんなに気分が上がっていくんだろう】
なんだろうかこの何のひねりもない歌は、ただ単に思ったことを歌ってるだけじゃねえか、音楽的になんか特別なこともないし、演奏が超絶スゴいわけじゃないし、昨今のBPM競争みたいなのからすればテンポも速い訳じゃないし、歌詞も一言一言わかりやす ...