しっぽ『海月』【膝を曲げて手を前に平行にさし出した状態でずっと立っているような歌唱】
誰もがひとつのことを正しいと信じて追求するけれど、その結果すべての人が同じ人になってしまったらどうなんだろうか。そこで全員が正しいと思っていることが本当は正しくなんてまったくなくて、でもみんなが正しいと思えばそれは正しいということにな ...
titilulu『サイケデリック七変化』【賭けるならこういう一度こじらせ系のアーチストを選ぶと良いよ】
女性ボーカルのバンドは本当にたくさんたくさん腐るほどいるけれど、その中で頭角を現すっていうのにはいったい何が必要なだろうか。サウンドが良いとかルックスが良いとかインパクトあるとかいろいろ基準はあると思うけど、結局は勢いがあるということ ...
山岸健太『お金がないから君の街までチャリで行く』【こういう楽器の響きって音楽を聴きたいなと思わせる】
ギターの音に惚れる。このギターの音はなんだろう。画面を見る限りただのアルペジオだ。わかりやすくたくさん音が鳴る12弦ギターの効果みたいなものではないし、押尾コータローに代表されるスラッピングやタッピング奏法のようなものでもない。なのに ...
SA『フォーエバーキッズ』【50代でフォーエバーキッズって一体どうよ? そりゃあロックですげえとは思うけどもさ】
うわあ、NAOKIだ。ラフィンのNAOKIだ。懐かしいなあ。ちょっと顔の形も大きくなって、この髪型じゃなければNAOKIだとは気付かなかったかもしれないし、だから逆にいえばこの髪型をしていればちょっと顔が似ている他人だったとしてもNA ...
高橋りゅうた『東京の風』【心はいくつもの場所に同時に暮らすことが可能なのだと教えてくれているよう】
東京について歌った曲はたくさんある。有名無名に関わらず本当にたくさん。誰もが歌うような曲をつくったところで目立つことはないだろうに、誰もが歌う。渡良瀬川とか津軽海峡とか天城越えとかだったらとりあえずその地域では盛上がって応援してくれる ...
Logi『karagara』【いつかきっと春が来ると信じて生きていく】
岩手のバンドLogi。プロフィールに「春を待ち冬を耐え生きている。言葉にせずとも分かり合いながら。花は咲くのです。」と書いてある。岩手では雪は当たり前の光景なのだろうか。MVには当たり前のように雪景色が出てくる。その中で、ジャンバーの ...
はなざわりずむ『ステージ』【究極の等身大くよくよソングと命名したい】
歳を重ねるたび、自分という価値が無くなっていくのかな。24歳のシンガーがそう歌い始める曲を聴くとドキッとする。その倍以上生きている僕の価値は今でもあるのかと。いや、あるよな。ありますよ。倍以上生きても価値がなくなることは無い、はず。サ ...
松本佳奈『あの陽だまりは瞼の裏』
【命が続いていく、陽だまりのような光景を】
音楽で生きていくということが以前のようには容易ではなくなった時代、それでもミュージシャンは音楽を紡ぐ。それは音楽で生きていくというのではなく、音楽をやるために生きているという佇まいのようだ。
松本佳奈というシンガーはプロな ...
朔良『Inging』【SNSでは取りこぼされる何かが生み出す、押し出されていく時の感傷】
卒業をする時に、もうみんなに会えなくて哀しいみたいなことを言ってる同級生がいて、そういうの不思議で仕方なかった。別に学校がイヤだったとかではない。クラスメイトと言っても全員が友だちなのではなくて、そんなに好きじゃない人とはもう金輪際会 ...
シロとクロ『night walking』【とびきりの笑顔を惜しげもなく披露する、爽やかなポップロックバンド】
なんと爽やかなのだろう。サウスポーギター&ボーカルのひのくんが終始笑顔。見れば一目瞭然のイケメン。イケメンというべきか、キュートなルックスが多くのファンを一瞬につかむだろうことは想像に難くない。ルックスというのは生まれ持ったものではあ ...