61room『Cheap Romance』【ボーカル2人によるコントラストが明確で心地良い曲】
切ないフレーズが積み重なって進行していくナンバー。全編英語のようにも聴こえるがかなりの部分は日本語。日本語をさも英語であるかのように歌う第一人者といえば桑田佳祐ということでいいんだろうか。佐野元春だってけっこう英語っぽく日本語を歌える ...
MONO NO AWARE『言葉がなかったら』
【それでも話すということには希望があると思う】
人は人とわかりあいたくて言葉を交わす。こんにちは。お元気ですか。差し障りのない会話ならどうってことはないが、それでは深いところまでわかりあうことはできない。だからもっと深い話をしようとするけれど、そもそも別々の人格同士が話をするのだか ...
前野健太『虫のようなオッサン』【歌と演技とどちらがより効果的に表現できるのかという問い】
前野健太、2019年は大河ドラマ出演など精力的な俳優活動が目立った年だった。1曲配信の新曲は出たもののアルバムリリースは無く、ファンとしては少々寂しい1年だったように思う。音楽を真剣にやったところで、万の単位でCDが売れる時代は過去の ...
kukatachii『Dance Till The Morning』【サウンドを言葉で説明したところでそれがどのようにスタイリッシュなのかは聴いてみなければわからない】
5年以上を経て、kukatachiを再び。スタイリッシュな音楽は健在。5年前には曲調が全体的にウェットな仕上がりと書いたが、今作はもっとソリッドに、全体的にソリッドになっているように感じる。言い換えるなら隙のないサウンドに仕上がってい ...
FUKUSHIGE MARI『沈丁花、低く』【せめて音楽を生み出す人たちの音楽に耳が傾けられるきっかけを生み出していくことができれば】
冒頭の独特のリズムを作るちょっとしたサウンドと、MVで蛇口から水滴がたれる映像とのシンクロが心地良い。そんなのは音の本筋とも言葉の本筋とも関係のない要素でしかないけれど、意外とそういった脇役というかサブキャラというか、もしかしたらそれ ...
きのこ帝国『ラストデイ』【いろいろなラストデイについて考えさせられるこんな曲を大晦日にこそ淡々と】
ああ、今年も終わる。1年が終わる。大晦日というのは単なる1日でしかないはずなのに、なんとなくいつもとは違う雰囲気に包まれる。そして雰囲気に包まれながらも24時間が過ぎてしまえばたいしていつもと違わなかったなということに気付かされる。
春がふる『言葉は』【そして丁寧に選ばれた言葉をこそ大切にしていける年になれば】
仙台を拠点に活動するバンド、春がふるを約2年ぶりに。前回紹介した時に延々と続くループのような曲調の新鮮さ斬新さに驚いたわけだが、今回の曲も基本はまったく変わらず、延々と淡々と粛々とループするように展開していく。面白い。とても面白い。
青葉市子『月の丘』
【ベストのパフォーマンスをするにふさわしい場】
京都のとあるイベントで、いろいろな布を展示販売するという風変わりなイベントだったんだけれど、その会場の片隅に設けられたステージで青葉市子が歌うという。もともとその風変わりなイベントそのものに興味があって行くつもりだったんだけれど、どう ...
君の蘇生を邪魔する『1962』
【社会不適合者バンド。久々にあやしいの見たな】
久々にあやしいの見たな。こういうのってある種のキャラ作りなんだと思う。例えば常にTシャツとジーンズだけでライブしててまったく飾りっけない感じで「魂の叫びを歌ってるロッカー」みたいなこと言ってるけれども、要は全然自分たちを売り込もうとか ...
みかんサイダー『東京』
【いやあ本当に東京は忙しい街だよなあと思わずにいられない】
東京で路上演奏活動をするデュオの歌う東京。なんでこんなにも哀しさに満ちているんだろう。歌詞の中ではまだここで頑張る理由があるはずと前向きさを見せているのに。彼女たちがこの曲の前に公開したMVに『Summer Tune』という曲があって ...