Deep Sea Diving Club『あくまとおどる』【どちらか、ではなく、どちらも。組み合わせによって複層の景色を見せることを可能にしている】
音楽をサウンドやリズムの種類で分類するジャンルという指標は、とても便利なのだけれど、本当にそれを表現の分類として十分なものとしてていいのかという疑問は常にある。長渕剛と山下達郎を同じ音楽表現者として並列に置いていいのか。いや、違うだろ ...
サンボマスター『ラブソング』
【作者の想いと、それとは関係なく起きる事象と、リスナーの心】
サンボマスターはギターのバンドだ。少なくとも僕の中ではそう。山口隆の抜きん出たギターセンスとギターテクニックがなければ、サンボマスターは知名度を得ることはできなかったのではないだろうか。彼のギターを最初にライブハウスで聴いた時は衝撃だ ...
RIOT JUNCTION『約束』
【偏見に負けずに頑張ってバンドマン!】
恐怖は人を狂わせるのか、それとも恐怖は人間の心の底を表に出してしまうのか。それは東日本大震災の時に思ったことだが、昨今の新型コロナウィルス騒動でも同じことを思わされている。つい先日、Twitterで見た投稿。「楽器屋に行った。店を出た ...
noto『キャンドル(feat.羽方美紅)』【誰しもが自由に書き込んで紡いでいく音物語と、その活動基盤】
ボーカル不在のバンドだそうだ。じゃあインストバンドなのかというとそうじゃなくて、曲ごとにボーカルを呼んできて歌ってもらうとか。いやあ面倒だなあ。ライブやる時とかどうするんだろうか。1曲1曲ボーカルが交代して歌うんだろうか。それともその ...
NYAI『Pomason』
【とにかく面倒なことを言ったりしないでただただ「ポップ!」と叫びたい】
福岡のポップバンド。公式なプロフィールにはオルタナポップバンドと書いてあるけど、オルタナポップという括りってどうなんだろう。そもそも音楽に明確な境界線なんてないのだから、ジャンルがなんであろうと別にいいんだけれど、オルタナって便利な言 ...
KEEPON『夕涼みに』【HOSONOも注目する完全多重録音の若い奇才によるサウンドや如何に?】
KEEPONという高校生ミュージシャンの同時(?)多重録音風景MV。実際には1人が同時に録音できるわけがないので、それぞれのパートを録音して、その様子をビデオで撮って、あとから編集をするという作業の結果このMVはできている。このパター ...
堺正章『さらば恋人』【見てよこのマイクを持つ左手の小指の立て方の見事さ】
懐メロ番組というのが週に1度あって、前の番組からそのままになってついつい眺めていたりすることがある。昔ベストテン番組などでポップス全盛、後期にはロックバンドが登場するようになってきて、ロックバンドを支持する若者からすればポップス歌手が ...
宇宙まお『もう踊れない』【これから自分は自分のやりたいようにやりますよと宣言しているような】
初めて見た、宇宙まお。めちゃくちゃノスタルジーを感じさせる楽曲。なんだろうこれ、ちょっとしたフレーズとかメロディラインがティンパンアレイといしだあゆみがタッグを組んだアルバム『アワー・コネクション』を思い出させる。あの一体いつの時代な ...
木村結香『COLOR』【なにか幾層かのフィルター越しに聴かされているようで】
シンガーを好きになるというのは、その歌唱力のもの凄さに圧倒されるか、その人の声に恋をするかどちらかだ。100人が100人とも好きになるという声などなくて、蓼食う虫も好き好きで、どんな声のシンガーだって、どんなにへたくそなシンガーだって ...
akane『愛し、まやかし』
【君の気持ちなんて分かるもんですか】
軽やかなピアノの音で始まるMV。映像に眼が止まる。これは京都だ、嵐山だ。日本でも有数の観光地嵐山を巡る。巡っている女性は誰なんだろうか。和太鼓メンバーのホノカさんなのだろうか。いや、そんなのはどうでもいい。MVに出てくるのがメンバーだ ...