EG『風景写真』
【曲の持っている暖かさと孤独感のようなものに実にマッチしたギターサウンド】
ギターの音が好きだ。このmusiplでも何度となく書いているけれど、ギターの音が良い曲に間違いはない。しかしギターの音といってもいろいろな種類の音があるわけで、メタル特有のキンキンとしたチューニングの速弾きギターから、アコギの生っぽさ ...
植田真梨恵『Stranger』【選んできたチョイスが間違ってたとして、今ここが今日の通過地点】
アーチストにはそれぞれスタイルというか型というものがあって、リスナーはそれをそのアーチストが本来持っていた固有の素養と思いがちだが、音楽がけっしてひとりではビジネスになり得ないこと、しかも若くてビジネス経験の浅いアーチストがビジネスと ...
レベル27『終わらせたって構わないと笑った君へ』【覚えやすいポイントを何かひとつ持っている】
けっこう、いやかなりシリアスな内容の歌を歌っているレベル27。なのにその歌詞のシリアスさがほとんど入ってこない。歌やパフォーマンスがダメだとかいうことではなくて、画面に釘付けになってしまって他のことに注意を向ける余裕が無くなってしまう ...
Lucky Kilimanjaro『Drawing!』
【閉塞感の中で出会った、僕らを突き動かそうとするエネルギー】
約1年半前に彼らのレビューをした時に「閉塞感の打開への意志が強く打ち出されていて心地良い」と書いた。ひとりの夜という押しつぶされそうな闇の中をズンズンと突き進む心地良さ。心地良さというか、突破力のようなものを感じたのだった。それからさ ...
FEZ INVICTA『Bottle Up』
【それぞれの音が自分を主張して、その主張ぶりのバランスが絶妙で、聴いていて心地良い】
イントロのギターがカッコいい。このバンドにある2本のアコースティックギターがベストな相性で響きあっていて美しい。そこに絡んでくるベースのアコースティックっぽい音とブラシスティックのドラム。すべての組み合わせがめっちゃいい。もちろん後付 ...
BRADIO『幸せのシャナナ』【これぞファンクの魂だ!】
世の中にファンクと自称するバンドはたくさんいるけれど、BRADIOほどファンクなバンドはないね。いやいるかもしれないけれどさ、僕が知らんだけかもしれんけどさ、そんなすべてのバンドをチェックしてファンク度を比較してランキングしてから言え ...
石崎ひゅーい『パレード』【ポジティブなことを考えることも、ネガティブなことに囚われ落ち込んでしまうこともある】
危機が迫った時、正直に怯える人と「今がチャンス」と血をたぎらせる人がいる。日常がある程度固まった世界で、その日常が続く限り不満多き現状から抜け出せないのだとすれば、変革や動乱こそ抜け出すための稀なチャンス。それを逃せばまた不満多き日常 ...
藤田麻衣子『素敵なことがあなたを待っている』【相手の気持ちに共感しつつ、それが徐々に変わっていくことを期待するかのような表情の変化】
心が打ちひしがれてしまっている人に対して「頑張れ」は禁句だと言われているし、僕もそう思う。では「よく頑張ってきたね」はどうなんだろうか。未来に向けて頑張れと強いるのではなく、過去のことを頑張ったねと讃える。文字面は似ているけれど意味合 ...
BabySitter『潰れたみかん』【めっちゃ夜ヒットで笑っちゃう】
めっちゃ夜ヒットで笑っちゃう。夜ヒットといえば誰もが周知の事柄として進めていいのかというと、まあダメなんだろう。だって夜ヒットの最終回は1990年の10月で、平成元年の話。そこから30年が経過してしまってるわけで。調べてみたら「夜のヒ ...
RAM RIDER『東京論』【派手な動きの背景に映る、地味な東京の風景が感慨深い】
東京の街が動いている。いやそりゃ24時間眠らない街だから動いて当然だろというかもだけど、映像の中で有り得ない動き方をしている、そんなMV。こういう映像あんまり見たことなくて、それはおそらくベタだから誰もやらないという理由なんだろうと思 ...