Lucie,Too『Lucky』【シリアスな難題が積もるときほど、目の前に向かう表現行為はポップでいい】
ガールズ・ロック・バンドとして嫌みがないほどのストレートな抜け方と若さに満ちたサウンドで駆け抜けるChisa(Vo,Tg)、かなこ(Ba, Cho)、シバハラナホ(Dr, Cho)からなる3ピース。それぞれのバランスと不安定な良さがい ...
ReN『Lights』【心の中でさまざまな葛藤をしていて、その一端のような何か】
昨年夏くらいから急激に名前が出てくるようになったシンガー、ReN。注目されるきっかけとなった楽曲でありアルバムタイトル曲の『LIFE SAVER』はギターのカッティングが鋭く刻まれていて、そのカッティングに合わせているのか歌に合わせた ...
Nightmares On Wax『Shape The Future』【老舗レーベルWarpの重鎮のすばらしいニューアルバム】
わたしのようなミーハーリスナーでもWarpという老舗レーベルの名前は知っていて、なじみもある。そんなWarpの重鎮、Nightmares On Waxがすばらしい曲を引っ提げ、ニューアルバムをリリースした。なんだ、この大人な雰囲気は。 ...
TRIPLANE『サクラのキセツ』【春がもうすぐと感じさせてくれる、力強い歌】
偶然出会ったこの曲のYouTubeコメント欄に「TRIPLANEはもっと売れなきゃおかしい」と切実なファンの言葉があった。かつてワンピースのエンディングテーマに曲が起用されたというこのバンドは活動歴ももうすぐ16年と長い。だが僕は知ら ...
前野健太『100年後』
【待ち合わせの存在しない人生より、嘘ばかりの待ち合わせを交わす方が】
前回、先週土曜日にKANの「50年後も」のレビューをして。そしたらやはり「100年後」についても触れてみたくて、前野健太。50年後の未来というのは20歳同士のカップルには十分に在り得る未来でも、35歳同士になれば平均寿命的に見て両方が ...
KAN『50年後も』【そういうのがとてもいい、個人的なKANのベストソング】
愛は勝つの人と思われがちなKAN。思われがちというか、あの大ヒットなのだからそう思われて当然、というかそうなのだ。愛は勝つの人なのだKANは。ヒットが大きければそのイメージが焼き付くし、その後普通程度それ以上程度に活躍したところで大ヒ ...
Jane Bordeaux『Ma’agalim』【ジェーン・ボルドーは、歌声やメロディで優しい気持ちになる】
人は見かけによらないとは言いますが、ハリウッド映画で意地悪な顔つきをした登場人物が嫌な奴だと「やはり、私以外の多くの人も、この顔つきの人が性格悪いって感じているということ」と、ホッとしたり。生活においては、できるだけ穏やかな印象たちに ...
Luby Sparks『Thursday』【綺麗な景色は山ほど誰か他人に任せてみればいい】
彼らも好きなバンドにあげ、影響下にある90年代後半のスーパーカーの持つ倦怠感と、マイブラ、ダイナソーJr.やライドなどの影が各所に芽吹きながら、どこか今の瀬でのシューゲイザー、ギターポップはロックやエレクトロニック・ミュージックのカウ ...
Tune-Yards『Heart Attack』
【思わず踊り出さずにはいられないような音楽だ】
新年早々、およそ3年半ぶりの4作目が発売された。Merrill Garbusのソロプロジェクトだったものが、元々のサポートメンバーを加え、今作から新たに二人体制になったようだ。形態やクレジットはともかくとして、Tune-Yardsの姿 ...
杏子『愛ね、暗いね』【絞るような声が揺れつつもファルセットに切り替わる瞬間の、その切り替え方が好き】
ハスキーな声が耳に残る。この人の絞るような声が揺れつつもファルセットに切り替わる瞬間の、その切り替え方が好き。歌の内容がどうとかメロディがどうとか関係なく、このファルセットへの切り替えだけでずっと聴いていられる。というかずっと聴いてい ...